そして僕たちに向かって「おぉホーム・チーム。めちゃめちゃ遊んでるみたいだねぇ。グラビアの子とか行ってるんだって?」と。これまた身に覚えがない。ホーム・チームは二人いるので僕でなければ相方の与座なのだが、与座はそんなことするようなタイプではないし、水道橋さんは明らかに僕を見ている。つまり「ホーム・チーム」と言っているが、この場合「ホーム・チーム」イコール「檜山」なのだ。「いやいや全然遊んでないですよ!本当に!」と必死に言い訳する若手芸人のようになってしまったのだが、ここまで連続すると間違いなくそのグラビアアイドルたちと遊んでいるのは僕の「偽物」だ。
どうやら僕の偽物は僕より社交的で、お酒に強く、後輩に慕われており、さらにモデルさんやグラビアアイドルさんたちと知り合うツテを持っており、さらにその女性たちからモテるほどの魅力があるらしい。
結論、偽物の方が本物より総合的にスペックが高い。それ以来「偽物」の噂を聞くことはないが、僕より人生を楽しんでいたのは間違いない。自分の偽物が現れる経験などあまり出来るものではないが、芸人をしていたからこそのエピソードと言えるだろう。これが元芸人の「エピソードトーク」です。あしからず。