デヴィッド「僕自身にとってのパーソナルな物語を描くことが何よりも大事なわけだけど、観客の心にきちんと響く作品にすることも重要なんだ。僕がやりたいことは、そういうことなんだよ。キャラクターたちによるドラマに、社会的なテーマを加え、それをホラー映画というジャンルの型として描く。そのことでより多くの観客に届けることができると僕は考えている。僕が撮った『ハロウィン』新三部作は、社会派ホラーと呼んでもらってかまわないよ」
45年前にマイケル・マイヤーズが起こした惨劇をあたかも実在の事件のようにデヴィッド監督は扱い、そこから派生する人間模様をリアリティーたっぷりに新三部作では描いている。
もちろん、ホラー映画ファンが楽しめるよう、ジョン・カーペンター作品へのリスペクトも込めてある。気弱なコーリーが変身していく姿は『クリスティーン』(83)、街全体が恐怖に包まれる様子は『ザ・フォッグ』(80)を連想させる。デヴィッド監督にとって、「ジョン・カーペンター」はどんな存在なのだろうか?
デヴィッド「子どもの頃の僕にとって、ジョン・カーペンター監督は多くのインスピレーションを与えてくれる憧れの人だったんだ。それが、僕自身が映画監督になったことでメンター(指導者、相談者)と呼べる存在になったんだ。『クリスティーン』『ザ・フォッグ』はもちろん、『ゴースト・ハンターズ』(86)や『遊星からの物体X』(82)からも大いに影響を受けているよ。父親と一緒に『スターマン/愛・宇宙はるかに』(84)を観に行ったこともあるしね。新三部作では単に原案者としてだけではなく、作曲家としてもジョン・カーペンターには参加してもらったし、彼の息子のコーディ・カーペンターも音楽で加わってもらったんだ。カーペンター家と仕事を一緒にできるなんて、すごく光栄なことだよ」