トラウマを抱える街・ハドンフィールドが舞台

 新三部作を任されたデヴィッド・ゴードン・グリーン監督は、セス・ローゲン主演の『スモーキング・ハイ』(08)やジョナ・ヒル主演の『ピンチ・シッター』(11)などのコメディ映画で頭角を現し、ボストンマラソン爆破事件を題材にした『ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた』(17)などの実録ドラマでも知られている。マクドナルドで起きたストリップ強要事件を描いた問題作『コンプライアンス 服従の心理』(12)の製作総指揮も務めた。エンタメ系と社会派ドラマ、どちらも得意としている。

 デヴィッド監督が手掛ける新三部作は、どれも社会派ホラーと呼びたくなる内容だ。マイケル・マイヤーズとの戦いによって、平凡な女子大生だったローリーは、すっかり平凡ではない人生を歩むはめになった。40年が経っても、ローリーの持つ心の傷は癒えずにいる。そのことは孫娘のアリソンにも大きな影を落としている。また、前作『ハロウィン KILLS』ではローリー一家だけでなく、ハドンフィールドという街自体がトラウマを抱えている様子も描かれていた。

 新作『ハロウィン THE END』は、そんな深いトラウマにローリーやアリソンが立ち向かう様子が描かれている。ローリーは忌まわしい過去を伝記として書き残すことで、アリソンは看護師として日々働くことで、トラウマを克服しようする。一方、繊細なコーリーは、マイケル・マイヤーズの闇に次第に侵食されてしまう。

 リモート取材に応えてくれたデヴィッド・ゴードン・グリーン監督が、人気ホラーシリーズに社会的要素を盛り込んだ理由について語ってくれた。