オタクネタや構成がダイジェスト的なことは置いといて、まずそういった細かい演出をする前に、「仮面ライダー」という作品、特に1作目を現代に蘇らせるということは、当時したくてもできなかった、重圧な人間ドラマを、まず第一に取り入れるべき、取り入れないといけないのである。

『シン・仮面ライダー』という作品は、仮面ライダー愛は確かに詰まっているかもしれないが、何より魂がこもっていない。おもしろいとかつまらない以前に、やってはいけないことをやってしまった気がするのだ。

「仮面ライダー」を理解しているはずの庵野監督がこれを作ってしまったことは、悲しいとしか言いようがない……。

『シン・仮面ライダー』
脚本・監督:庵野秀明
出演:池松壮亮、浜辺美波、柄本佑、西野七瀬、塚本晋也、手塚とおる、松尾スズキ、森山未來ほか
原作:石ノ森章太郎 
制作:東映、シネバザール 
配給:東映
製作:「シン・仮面ライダー」製作委員会
映画公式サイト:shin-kamen-rider.jp