冒頭のクモオーグとの対決シーンでは、「仮面ライダー」第1話「怪奇蜘蛛男」のロケ地である奥多摩の小河内ダムをそのまま使用していることや、当時の特撮感を出すためのチープで雑なカメラアングル、「仮面ライダー」だけに限らず「ロボット刑事K」や「人造人間キカイダー」、「イナズマン」といった石ノ森章太郎作品ネタ、原作ネタなどがいたるところに散りばめられており、今作も特撮オタク熱量全開で素人に全く配慮しない作品となっている。

 それはそれで良いのだが、今作は「仮面ライダー」という作品を愛している人が作ったとは思えないほどに、決定的に欠けてしまっている部分があった……。

【ストーリー】
謎の女性緑川ルリ子を連れて謎の組織「SHOCKER」の追手から逃げることになった本郷猛。その中で、自分の体が何か別のものに変わっていることに気付き、さらに恩師である緑川博士によって改造人間にされてしまったことを告げられる。しかし脳は改造されていなかったことから、人間の時の意識が残っている本郷は、自分の置かれている立場に困惑しながらも、ルリ子を守り、SHOCKERと戦う運命に立ち向かうことになる……。