「搔爬法は子宮内に傷が付くおそれがあり、身体的にも精神的にも女性の負担が大きい」(山本氏)のがその理由だ。しかし手動の吸引法が日本で認められたのは2015年とここ最近のことであり、現在、少しずつ置き換わりが進んでいる状況だと山本氏は言う。
「内服薬にしろ、手術方法にしろ、日本の中絶に関する考え方は世界から30年近く遅れていることになります。海外では女性の体に負担が少ない方法に切り替わってきました。いまだに妊娠初期の中絶に手術という選択肢しかない日本は、女性の権利や健康に関する問題を置き去りにしてきたと言っても、過言ではない」(山本氏)
仮にメフィーゴパックが承認されたとしても問題は山積みだ。
まず問題となるのは価格の問題だ。例えば、時事通信は「WHOは経口中絶薬を妥当な価格で提供されるべき『必須医薬品』に指定しており、海外では1000円以下で入手可能な国もある」とし、「国内では中絶手術は通常、保険が利かないため、中絶薬も10万円程度になるとの見方がある」と報じている(23年2月27日付)。
【こちらの記事も読まれています】