彼の電凸映像は動画サイトにアップロードされるや否や、反響を巻き起こす(そりゃそうだ)。権力者寄りのジャーナリズムはこの動画を一笑に付すが、ロシア政府はさまざまな難癖と罪状をつけ、逮捕しようとする。するとナワリヌイはやましいことなど何もない、と堂々ロシアへ帰国して、現在は服役中の身である。

 ナワリヌイの支援団体はプーチン政権の闇を暴露する動画や情報を公開し、ナワリヌイの収監に反対するデモを何度も起こしている。

 日本にも「国会の闇を暴く」「政治家の不正を暴露する」と息巻いて国会議員に当選したガーシーこと東谷義和という人物がいるが、彼は国会に一度も姿を見せず、やっていることは芸能人の誹謗中傷(そのほとんどがデタラメ)にすぎず、警察に捕まるのが嫌だから外国に逃げているといった有様。本当に命がけで政治家の不正、政権の闇を暴くという行動は、ナワリヌイがやっているようなことをいうのではないか。ガーシーにはナワリヌイの爪の垢でも煎じて飲めと言いたい。

 映画『ナワリヌイ』はアカデミー賞長編ドキュメンタリー受賞も納得の傑作。これと比較すればガーシーはせいぜいゴールデンラズベリー賞がいいところですね。