もちろんほとんどの人間は電話がつながっても沈黙、即切りでロクに会話が成り立たない。ここでナワリヌイは作戦を変更、リストから「一番口が軽そうなやつ」を狙って殺害チームメンバーの部下だと偽り、殺害計画が失敗した理由を探る報告書を作っているから……という名目で毒殺作戦の内容を聞き出す。

 すると彼は拍子抜けするほど、あっさりと計画について口を滑らせるのだった……。

 殺害未遂事件の顛末を聞き出すことに成功したナワリヌイとクリストは、笑顔でハイタッチ……って、喜んでる場合じゃないよ! これは政府が一人の人間を抹殺しようとした証拠なのだから。

 恐ろしい話だが、当のナワリヌイはニコニコ笑顔を崩さない。劇中、彼は常に笑顔を絶やさず、命がけの反体制運動をしているとは思えないユーモアに溢れた態度を見せており、だからこそプーチンは彼を恐れているのだろう。