ナワリヌイも2020年8月に飛行機内で体調が急変し、意識不明の状態に陥った。一命をとりとめたがその家族、支援者らは政府関係者による毒殺を疑い、ロシアの病院は信用できないとドイツの病院に助けを求める。

 そうしてドイツの病院で検査を受けたナワリヌイの体からは、プーチン政権が毒殺に使用すると言われる薬物ノビチョクが発見される。ロシアの病院では毒物など一切検出されなかったのに、だ。

 プーチンの関与を疑うナワリヌイに、政府関係者及びプロパガンダを垂れ流すジャーナリストらは「本当に殺す気なら毒なんか使わずにピストルでバン!だ」「やつは自分に殺される価値があると思い込んでいる誇大妄想家だ」と蔑むことで反体制派の信用を失わせようとする。

「逆に有名になれば、命を狙われないと思ったんだ。殺したら殉教者になるからね。その考えは甘かったと思い知らされたよ」

と、述懐するナワリヌイに強力な援護者が現れる。