スピードワゴン小沢に憧れまくった少年時代

 そこから僕は『オンバト』を見漁った。YouTubeもネタ番組もほぼなくて、『M-1グランプリ』が始まるちょっと前のあの頃、若手芸人のネタに触れる機会は『オンバト』しかなかった。VHSテープに録画しては擦り切れるほど観た。あの頃の芸人のネタはかなりの数を暗記していると思う。今は気になる芸人がいればほぼ必ずYouTubeでネタを観ることができるので本当にいい時代だ。余談だけど、『M-1グランプリ2002』で笑い飯が超鮮烈な全国デビューを果たしたときも、彼らが大阪芸人なこともあり、翌年の『M-1』までもう一度ネタを観ることが叶わなかった。

 僕がその後のオンバトで衝撃を受けたネタは劇団ひとり「用務のおじさん」、インパルス「キセル」、バナナマン「合コン」などだ。偶然なのか必然なのかみんな今も第一線で活躍している人たちばかり。

 そして「オンバト戦士」の中でとりわけ僕を虜にしたのがスピードワゴンだった。あの頃の小沢さんは、ほかの芸人さんたちに比べて本当にスタイリッシュだった。芸人特有のガツガツした雰囲気を出さず、ハスキー声も相まってなんだか妖艶で、もちろんネタも面白く、それでいてオンエアを勝ち取ったら号泣しちゃうときもある人間味あふれる小沢さんが大好きだった。ちなみに僕は初恋の相手が『家なき子』時代の安達祐実さんだったのでその後井戸田さんは嫌いになった。