◆夫さえ、妻さえいれば、じゅうぶん幸せだったのに

茜は、大輔と出会った日からの5年間を、日記を見ながら思い返していた。好きでたまらなかったから、婚姻届を出した日に泣いたこと、大輔がいれば幸せだと思っていたこと。意識を取り戻した大輔もまた、「茜さえいればじゅうぶん幸せだった」と思っていたと記憶を蘇らせる。

ドラマ『夫を社会的に抹殺する5つの方法』
それなのにどうしてこんなことになってしまったのか。虐待によって生まれたもうひとりの人格、PTSD、そして仕事で追い込まれていったことなど大輔は少しずつ病んでいった。そして仕事で朝帰りになったとき、茜に「連絡くらいくれても」と言われて「めんどくせえな」と怒鳴りつけるのだ。そこから大輔のモラハラが始まる。父親と同じことをしていると気づきながら、自分を止められなかった。