――主人公は那美ですが、彼女が社長を務める「エンジェルハース」の新入社員・凜子の目線も印象的で、凜子もある種の主人公のように感じました。このような演出には何か背景があるのでしょうか?
「国際霊柩送還士という新しいテーマをドラマ化するということは、視聴者の皆さんにとっても初めての体験です。だからこそ、新入社員である凜子の目を通じて、驚きなどさまざまな感情を皆さんにも感じてほしい、ということが一つ。もう一つは、ドラマの中でも描かれているのですが、凜子にとって母親は、乗り越えられない大きな壁となっています。その母に反抗して国際霊柩送還士になったと思ったら、今度は那美という大きな壁が現れる。那美を乗り越えることで、母との関係も前に進むかもしれない、と那美と母が重なって見えたらいいな、という思いがありました」