◆4. 実力派・萩原利久とのタッグで奇跡のキャスティング
作中で「美しい彼」を体現しなければならないプレッシャーは、いかほどか。その重圧の支えとなるのに、子役時代からキャリア10年以上の経歴を誇る若手実力派・萩原利久は適任だった。酒井監督とは過去にも『ウィッチ・フウィッチ』(2018)などの作品で何度かタッグを組んでいることからも、これ以上ない人選といえる。
萩原が演じる平良、八木が演じる清居は、それぞれが演じるキャラクター、そして原作の世界観までも汲んだ脚本に丁寧に向き合い、『美しい彼』ワールドを作り上げた。その魅力がアジアに広まったのは、もはや必然だったのかもしれない。
<文/北村有>
【北村有】
葬儀業界を経て2018年からフリーランス。映画やドラマなどエンタメジャンルを中心に、コラムや取材記事を執筆。菅田将暉が好き。