◆1.『流浪の月』作家・凪良ゆうによる“切なくも甘い”ストーリー
「美しい彼」シーズン2(ポスタービジュアル)©「美しい彼」製作委員会 S2・MBS/figcaption/figure第17回本屋大賞を受賞、広瀬すず・松坂桃李のW主演で映画化もされた『流浪の月』作者でもある、凪良ゆう。彼女が手がけたボーイズラブ小説『美しい彼』シリーズは、その切なくも甘いストーリーで多くのファンを集めた。
メインキャラクターはふたり。高校生の平良一成、その同級生である清居奏は、高校三年生の春に出会った(原作では高校二年生の春に出会っている)。幼いころから吃音症に悩む平良は、極端に緊張してしまうシチュエーションが苦手で、自己紹介はその最たるもの。案の定、自分の名前を口にするのでさえ詰まってしまう。
周りの同級生たちがからかって笑うなか、タイミングよく現れた清居の美しさに“引力に惹き寄せられるように”一目惚れした平良。ここから、見つめ・見つめられる特殊な関係性ができあがる。
自信が持てず、必要以上に自分を卑下する平良。心のなかで清居を神格化し、熱のある目で彼を見つめ続ける。視線を浴びる側の清居は、最初こそ平良をパシリのように扱うが、寂しい幼少期を過ごした過去の自分を満たしてくれる“狂気さえ感じる視線”に、いつしか執着を覚えるようになる。
クラス内ヒエラルキーの頂点と底辺、決して交わるはずのないふたりが、すれ違いつつも距離を縮める過程に、虜になるファンが急増した。