研究の結果、ピナコサウルスと現生鳥類・爬虫類の形態も比較することで,恐竜ピナコサウルスの喉頭骨が鳥類に類似していることを見出した。ピナコサウルスの喉頭は、①大きな輪状骨を持つ②披裂骨が大きな突起を持つ③披裂骨が長い④輪状骨と披裂骨の間に関節を持つといった、鳥類との類似性を発見した。

 これらピナコサウルス喉頭の特徴は、鳥類に見られる声門部の変形や音声拡散など音声コミュニケーションに適した形態をしており、恐竜類でも鳥類のような発声をおこなっていた可能性を示唆しした。

 研究チームは、「他の恐竜類などから喉頭骨の化石がさらに発見されれば、 これまで極めて難解だった絶滅動物の音響生態・音声進化の解明が大きく期待できる」としている。

 さらに、研究チームは現在も福島県、北海道、モンゴルなどにあるジュラ紀~白亜紀の地層を調査し、新たな手がかりを探っている。「将来、これらの地域から見つかる恐竜化石か ら、恐竜類の音声進化に関する研究がさらに大きく進展することを期待」して調査を続けている。