研究チームは、05年にアメリカ自然史博物館がモンゴル・ゴビ砂漠で発見した中生代・白亜紀(約8400~7200万年前)の恐竜ピナコサウルスの化石が、非常に保存状態の良い恐竜化石ということを発見した。
ピナコサウルスは、背中を覆う装甲板のような皮骨がヨロイのように身を守り、四足歩行の植物食恐竜で、その化石はゴビ砂漠から記録されている。
そこで研究チームは、このピナコサウルスを詳細に観察・記載し、日米の博物館に収蔵されている現生鳥類・爬虫類の喉頭骨標本100点以上と比較した。その結果、ピナコサウルスの頭骨に残された不明瞭だった骨が、世界で初めて恐竜の喉頭骨(輪状骨、舌骨、披裂骨)であることを発見した。
これまで、喉頭骨は化石にならないと考えられていたが、この研究によって恐竜類でも喉頭骨が化石になることを初めて示し、ピナコサウルスの喉頭化石が世界最古の喉頭骨の化石となった。
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