全体の流れは、「アイマスクを取った=ルールを共有した者」が誘導するも、「取っていない=ルールを共有しない者」が不信感をつのらせていって、というもの。アイマスクを取り誘導側に回る人が増えれば増えるほど、取らない側がむしろ疑いを深めて頑なになっていく。そんな様子が、なんだか社会の一側面を表現しているようでもあった。アイマスクを取るよう周囲から繰り返し説得された平子は言う。

「ずっと何かに似てると思ったら、カルトの勧誘に似てるんですよね」

 ただし、である。今回の企画、表面的には他人のアイマスクを言葉だけで外すチャレンジだ。が、おそらくそのルールが共有されているだけでは、今回のチャレンジは成り立たないだろう。一般人がやると、全員がすぐにアイマスクを外して終わりそうな気がする。途中で展開が二転三転し、最後まで拒否する平子のような存在も出てくるには、その場で明示されていないルールが共有されていなければならない。出演者で協力してテレビの企画を“成立”させる――表面的なルールのさらに底にあるそんな真のルールの共有が。

 室内のモニターに書かれたルールは、最初は誰も見えていなかったかもしれない。しかし、真のルールだけはむしろアイマスクをつけられた瞬間からみんな見えていたのだ。