まとめると、家康の「家」の由来は源義家にあるとする説はいかにもソレっぽいので、いつしか(明治時代以降?)全国規模で有名になったものの、もともとは「尾張葉栗郡葉栗村」の青井家に伝わる先祖の肖像画の由来書きの内容に尾ひれがついたものにすぎなかったといえそうです。

 しかし家康は、武士の世をつくった源頼朝を尊敬しており、昨年の『鎌倉殿の13人』の最終回で松本潤さん演じる家康が『吾妻鏡』を読むシーンがあったように、実際に『吾妻鏡』を愛読していたという家康が、頼朝の有名な祖先である義家「も」尊敬していたとしてもヘンではありません。ドラマの家康が「三河をひとつの家」と考えて家康と名乗るようになったとしても、周囲が義家公の情報も絡めてくるのではないかな……と思われますね。まぁ、いずれにせよ、「家康」の名前の由来は現状では謎のままなのですが。

 ところで次回・第7回では改名問題だけでなく、三河一向一揆の始まりが描かれそうです。公式サイト版の予告映像では「家康3大ピンチ 一向一揆編スタート」とありました。第6回で家康の妻子を奪還するのに一役買って視聴者にも顔と名前を売ることに成功した本多正信(松山ケンイチさん)ですが、史実通りにいけば彼は徳川家中から早々に離反してしまうはずです。そのあたりがどうなるのかなど、「一向一揆編」は見どころも多いと思われますので、楽しみですね。