――話が前後しますがそもそも、芸人になろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

ミラクル:その当時はエステティックで仕事をしてまして。だけど、毎日が楽しくないんで「どうにかしてモノマネ芸人になってやる」と思って。素人が怖いのは、こうとキメたらもう、止まんなくなっちゃうんですよね。次の職場はここしかない!と。

――そこでダンシング☆谷村さんの目にとまった、と。

ミラクル:宇多田さんのモノマネを披露したら「あ、これは金になるぞ」と思われて(笑)。それで「まずは5分の前説から始めろ」ということで、よくバーモント秀樹さんの前座をやらせてもらいました。

 それである日、とある会場に『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦』(フジテレビ系)の偉い方が見に来ていて。声をかけていただいて番組に出たら視聴率も評判も良かったらしくて。「次回からレギュラーで出てもらえませんか?」と言ってもらってそこから2年ほど、宇多田さん以外のモノマネはしていなかったです。ひたすら宇多田モノマネの完成度だけを上げて、あの頃は本当に頑張ってました。宇多田さん本人はプロモーションで1回しか着ていないような「traveling」(2002年)の衣装を、こっちは2~3着、似たような衣装をそろえて何度も着ましたね。ボロボロになるまで営業で使いました。