◆「普通の生活」のありがたさ

Kさんの入信は、教団幹部が設立した「ビジネススクール」が入口だったが、失業保険を受けとりながら「社会人経験がなくパソコンスキルも低かったので、事務に必要な資格を取った」という。その話からは、教団のビジネススクールは実務にまったく役立たなかったこともわかる。

「その後はじめて一般の会社の正社員になると、給料にボーナス、有給、交通費、その他手厚い福利厚生を、生まれてはじめて安定して得ることができました。仕事上のストレスもなく上司はとても世話焼きで、褒め上手。まるで世界が違います。信者時代は、自分の好きなこともすべて無駄だと思い込まされ、楽しみは罪とされ、その結果、自分の選択を素直にできず教団の喜ぶように動いていました」