―連載「沼の話を聞いてみた」―

「カルト宗教」と呼ばれる教団での奉公生活に疲弊していったKさん。当時は20代で、同年代の友だちが社会に出て稼ぎ、充実した生活を送る様子がたまらなくうらやましくなっていったという。

カルト体験談202302-3a
※写真はイメージです(以下同)
「私の場合は教団で働くといっても固定給料はなく、本の売り上げに応じた歩合制です。しかもそれすら、支部長の気分次第で減らされたり。朝から深夜まで活動をして、1カ月の収入は10万円弱。寮と呼ばれるマンション一室の維持費も支部が払ってくれるわけではなく、家賃、水道代、光熱費などは、入居しているメンバーと割り勘でした。精神を高め、人生の成功者になる。世界を救う。いくらそんな理想を夢見ても、奴隷みたいな生活がつづけば、次第に苦しくなってきます」