――一方で、高齢者の運転免許返納を促進する流れもあります。自家用車を手放してもらうには代わりの足が必要ですが、そのあたりはどうなっているんでしょうか?

小笠原 コミュニティバスやデマンドバス、デマンドタクシーが注目されるようになっています。よくあるのはハイエースに7~8人乗せて路線を回るような形ですね。

――それは誰が運営しているんでしょう?

小笠原 まず前段階をお話しておきましょう。一般的な乗合バスが運行しないエリアはいろいろ事情はあれどもつまりは儲からないエリアです。でもどうしても交通機関があったほうがいいところに関して、役所が「路線を敷いてくれないか」とバス会社にお願いしたり運営費を行政が補填したり、また自分たちで路線を敷くパターンが20~30年前から出てきました。いま、全国の行政の中でコミュニティバスは流行りの施策です。

 ただし、コミュニティバスとはなんぞやという定義はあまり固まっていないんですよ。今言ったように、行政が自分たちで運営するパターンもあるし、事業者にお願いして補助金を出しているパターンもある。ただ、いずれにせよ行政が税金を投入している以上、なんらかの評価をする必要があります。