――どういうことですか?

小笠原 たとえば、個人間での車の乗り合いを認めることも解決策の一つです。例えば「私、今日役場まで行きますが誰か乗りますか?」「じゃあお金払うので乗り合いさせてください」というのは日本では一般に白タクと呼ばれて法律で禁じられていますが、今後シェアリングエコノミーの観点から考えるに有効な手段となるかもしれません。実現にはまだ道程は長いと思いますが「ライドシェア」と呼ばれるように、実際に新たな仕組みや手法として政策提言や検討をする方々もおいでですね。あるいは、高校生しか乗らない路線を廃止するのであればその代わりに、大半の学校で禁じられているバイク通学や、今なら電動キックボードでの通学を認めるというようなアイデアも考えられます。

 それくらい奇抜で破天荒な発想も議論の俎上に上げていっていいと思うんです。いずれもこれまでの発想から考えれば違法だったり地域や学校の運営としては到底認められないということになるかもしれませんが、前提を変えたり自分たちの意識をバージョンアップしてゆくと活路が見いだせることはあるかもしれません。夢も希望もないけれど、現実を乗り越えようとするなら従来から飛躍して無茶をしてみる必要があるんじゃないでしょうか。