◆癒やし空間とカルト宗教の親和性
「教団の本も売らねばならず、タウンページではエステサロンや鍼灸院など癒やし系の業種にしぼって片っぱしから営業しました。そうしたところは、精神世界と親和性が高いからです」
前編でも触れたとおり、Kさん自身も母親の経営するエステサロンに来た営業が、教団を知るきっかけだ。
◆過剰な自己開示を迫られる「懺悔文」本の販売も直接の勧誘も、当然成果を上げられない日があるが、ノルマが達成できないと懺悔文を書かないといけない。
「教団の教えでは、体調不良も災害も事故も、基本は自分が招いたこととされています。だから勧誘のノルマが達成できなかったのは、何か隠していることがあるからだと。そして懺悔文で自己開示させられる」。男性信者たちは、性癖や性欲の自己処理についてまで書かされ、しかもそれをみんなの前で読み上げられていました」
「正直に自己開示して精神を磨かないと地獄に落ちる、みたいな思想にとりつかれていたので、みんな馬鹿正直に書いていました」
地獄に落ちる前に、すでに地獄絵図である。