◆妊娠した妻に「うっとうしいなあ。実家に帰れば?」と夫

このままでは夫とはうまくいかない。毎週末やってくるようになった義母と、それをありがたがっている夫を見ながら、カホさんの頭の中に「離婚」の文字が浮かんだ。ところがそんなときに妊娠がわかり、彼女は離婚をいったん棚上げすることに。

「つわりがひどかったんですが、夫は『おかあさんが言ってたよ、つわりなんて病気じゃないって』と言うだけ。仕事をしているときはそうでもないんですが、帰宅すると本当につらくて立っていられない。しかもほとんど食べられない。でも夫は帰宅して私が横になっているのを見ると、『うっとうしいなあ。そんなに具合が悪ければ実家に帰れば?』と。

うちは両親が離婚していて私は母に引き取られたんですが、その母も10年前に再婚して遠方にいる。しかも母の再婚相手と私はあまり折り合いがよくない。それを知っていて、そういう言い方をする夫を軽蔑しました」

◆夫の暴言や義母の態度をひそかに録画、メモもとっていた

週末になると、相変わらず義母がやってきて掃除や洗濯までしてくれた。それはありがたかったが、義母がするのは夫の分の洗濯物だけ。

「夫のためにならない妻は、いるだけムダねと義母が言い、夫もヘラヘラ笑ってる。つわりを乗り越えて無事に出産したら、絶対に離婚しようと心に誓いました」

録音
彼女はひそかに夫の暴言や義母の態度を録画し、細かくメモをとっていた。子どもが女の子だとわかったとき、義父が「使えない嫁だ」と言ったことも録音されている。

「夫の実家は小さいながら会社を経営していて、夫はいずれ今の会社を辞めて家業の社長になることが決まっていた。だから跡取りを産んでほしかったんでしょうけど、私は女の子でホッとしました」