◆息子が倒れたらあなたのせいですからね
「やっぱりおかあさんの料理はうまいなあ。カホもちゃんと教わっておけよと夫は言うんです。義母も『働きながら家事もやるのは大変よねえ。でもね、息子が倒れたらあなたのせいですからね』と同情だか恫喝(どうかつ)だかわからない言葉を浴びせかけてきました」
ところが義母の料理、カホさんにはそれほどおいしいと思えなかったという。味つけが濃く、出汁もほとんどきいていない。
「それでも夫がそれを好むならと義母にレシピをきくと、『見て覚えなさい。いちいち分量なんて量ってないんだから。これはね、経験と愛情よ』って」
味が濃ければいいのだろうと、それからは少し濃くしてみたが、やはり夫からは「仕事辞めて、おふくろに弟子入りしろよ」と言われる始末だった。