『エンドロールのつづき』は第95回アカデミー賞の国際長編映画賞インド代表に選出され、結果的にノミネートは逃してしまった(インタビュー収録は発表前)が、プロダクションや製作会社のプロモーションや政治的駆け引きが重要になってくる中で、独立系の作品が同じ土俵に立てたということは、インドだけに限らず多くの映画人にとって、大きな意味があることだった。
多くの観客は、情報の多いメジャー作やプロモーションの強い作品を選ぶ機会が多いことだろう。昨今、賞レースでは多様性をテーマにした作品が選ばれやすくなったものの、それもあくまでメジャー作のみで、独立系作品は逆に選ばれにくくなってしまった現状は、改めて考えていかなければならないと感じる。
そもそもインド映画というものが、ひと言で「インド映画」と言えるような規模ではないのだ。それぞれの業界や地方の想いが交差する中で、世界的な視野をもつナリン監督、そしてプロデューサー・ディールの、インド人でありながらインド映画界を俯瞰的に見た意見は、かなり貴重なものだった。
『RRR』監督のS・S・ラージャマウリ、『マイネーム・イズ・ハーン』のカラン・ジョーハル、『人生は二度とない』のゾーヤー・アクタル、『バンバン!』のシッダールト・アーナンド、ローヒト・シェッティ、サヤンタン・ゴーサル、アヌラーグ・カシャプなどなど……。インドの各地で、異なるアプローチではあってもステレオタイプから脱しようとしている映画人が多くいることも事実。世界的にはすでに起きつつあると筆者は思っているが、近い将来、日本でもインド映画の「グローバルインパクト」が起きてくれると信じている!!
『エンドロールのつづき』は全国にて絶賛公開中!
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