その南部のフル規格カジノ建設が、いよいよ今年、動き出す。カジノ施設の建設を管理する州の委員会は年初から、事業参入希望会社の申請の受付を始めた。

 ニューヨーク市は世界の一大ビジネス街である一方で、世界の一大観光地でもある。「世界中が不況にあえいでいてもマンハッタンだけは栄えている」といわれるほどの「金満都市」だ。カジノ業界はニューヨーク市での本格カジノ建設を、「よだれを流しながら」じっと待っていた。サックス・フィフス・アベニューも、このチャンスを逃すまいと参入に手を挙げた。

 サックス・フィフス・アベニュー以外に6カ所で建設構想が持ち上がっている。ニューヨーク市の象徴であるタイムズスクエアでの計画は、オフィスやホテルだけでなく「ライオン・キング」を上演するブロードウェイの劇場などを併設する。マンハッタンの東側、イースト川沿いの計画地は国連本部のすぐ脇にある。クイーンズ地区での計画はプロ野球のニューヨーク・メッツが本拠地とするシティ・フィールド球場に隣接させ、近隣のチャイナタウンからも客流入を狙う。