日本でも1月31日に東京・渋谷の東急本店が56年の歴史に幕を降ろした。2月1日には、そごう・西武がセブン&アイ・ホールディングスから米国の投資ファンドに売却される。消費者の価値観の多様化、オンライン販売の普及が百貨店の存在を脅かしているのは日米ともに変わらない。
サックス・フィフス・アベニューは「5番街のど真ん中」にあるといっても、もはやそれだけで生き残ることはできず、カジノ構想で客を呼び込むという大胆な発想に至った。このタイミングで一気に舵を切ったのは、ニューヨーク州のカジノ規制の緩和がニューヨーク市に及ぶことになったからだ。
ニューヨーク州は2013年に州憲法を改正し、それまで禁止していたラスベガスにあるようなフル規格のカジノの建設を認めた。州内7カ所に建設することとし、そのうちの4つの建設枠は州北部に振り当てられ、すぐに営業が開始された。
ニューヨーク州は南端に米国最大の都市のニューヨーク市があり、極端に南部に人口が集中している。これに対し「アップステート」と呼ばれる中部や北部には、大都市といえるほどの都市はない。州政府は州内の経済格差を少しでも是正するため、ニューヨーク市とその周辺の南部に認めた3つのカジノ建設枠については10年間、計画推進を見合わせていた。
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