本作でとても印象に残ったのが、大量のフィルムや映写機が工場でリサイクルされていく様子が映し出されているシーン。このシークエンスにはセリフもなく、まるで隕石が衝突して世界が終わるかのような演出がされている。「ひとつの世界の終わりは、また新たな世界の始まり」というように、意識を切り替えることで前に進むことも大切だ、というメッセージにも思えた。まさに、インド映画業界の現在のように。

 パン・ナリン監督は生粋の映画マニアということで、随所にさまざまな作品のオマージュが張り巡らされていたり、多くの懐かしいインド映画のシーンが使用されていたりなど、映画好きであれば、そういったオマージュや懐かしい映像を観るのも楽しい作品だといえるだろう。

 

『エンドロールのつづき』は1月20日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋ほか全国にて公開。