◆今後、賞レース自体の価値はどうなっていく?

 ウエストランドの『M-1』優勝のネタ内で「夢がない」と揶揄(やゆ)された『R-1グランプリ』。かつての優勝者・やまもとまさみ氏は優勝翌日の仕事は全くなかったといい、その後も特段のブレイクには至りませんでした。

 この現状を打破すべく、ここ数年の『R-1』はテコ入れし、昨年度の優勝者・お見送り芸人しんいちを「マルコポロリ」や「座王」などの自社制作の番組に数多く起用したり、準優勝のZAZYと対立構造を作って積極的にプロデュースを図るなど、賞の価値を高めるために優勝者の活躍を後押ししているように見受けられます。

(ちなみに、2022年4月24日放送の「マルコポロリ」によると、今までサポートできなかった点についてカンテレ側からやまもと氏に直接謝罪があったとやまもと氏本人が語っていました)

 賞レースの価値は、優勝者のその後の活躍によって決まるもの。『崖っぷちNo.1グランプリ』も選考方法は批判が多いですが、その後、優勝者がテレビ等で活躍すれば自然と権威が高まるものでしょう。賞レース出場者の勝敗だけでなく、賞レース自体の価値はどう変わっていくかのも楽しみですね。

<文/小政りょう>

【小政りょう】

映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦