おなじく、関西の出版社である京阪神エルマガジン社による2022年12月23日発行の情報誌『SAVVY』も、異例の誌面構成となった。
同誌はこれまで「大人向け女性誌」として、カフェ、雑貨などを毎号特集してきた。表紙もこれまで飲食類などが多かったが、同号ではロングコートダディが表紙を飾っている。ふたりは指のあいだにカヌレをはさんでポージング。これは『マルコポロリ!』(関西テレビ)で、堂前透がネタづくりなどを頑張っている一方、兎はカヌレづくりに励んでいると明かしたことに端を発したもの。ほかにも紅しょうがを色っぽいメイクで変身させたり、芸人たちのファッションスナップだったり同誌らしさをキープさせながら、関西のテレビ番組をプレイバックする吉村智樹氏執筆「関西ローカルテレビ番組列伝」など新味を感じさせた。
さらに山田邦子、中島知子ら「女芸人」のレジェンドが、どのようにお笑い界をわたり歩いてきたかが書かれた『女芸人の壁』(2022年11月10日発行/文藝春秋)、芸能記者・中西正男氏らしい突っ込んだ取材から芸人たちの本音が浮きあがる『なぜ、この芸人は売れ続けるのか? 一流芸人25組の知られざる生き様』など、いずれも読みごたえが十分。
また筆者も寄稿した『お笑いファン vol.1』(2022年12月27日発行/鹿砦社)は、多彩な執筆陣による取材や考察を中心としており、文字量びっしりのかなり硬派な中身。一方、吉本興業ホールディングス・大﨑洋会長とお好み焼きチェーンの大手・千房の中井政嗣会長による「大阪2大巨頭対談」というド迫力な企画にも驚かされた。