◆もっと上に行きたいからこそ、あえて手放す道を選んだ
──「旬の女優だから使いたい」ではなく、松本さんだからこの役をオファーしたという仕事を引き寄せる、そんな存在になっていくということですね。
松本:はい。そうならないと駄目だと思いました。結構きつかったけど、もっと上に行きたいと思うからこそ、あえて手放す道を選びました。そういう道しか歩めない人だとも自覚しましたね。
休みを経て、今は感性を「閉じる」ことを学びました。「閉じる」とは感性を休ませること。それで空を見上げたときに「空が青い」と思えたり、花を見てきれいだなと感じるようになりました。当たり前のことなのに忙しいときは何も感じないし、そんなことを考えている余裕もない。
でも今は、「閉じて」充電して、また「開いて」を繰り返すバランス感覚で生きてみようと思っています。ずっと走ってきたから、今はゆっくり歩くだけでも幸せを感じるんです。
◆自分の人生を自分でコントロールしたい
──ちゃんとした生活の先に、表現があるということですか。
松本:そう。生活をちゃんとしたいんです。生活や仕事がままならない仕方は、もうしたくない。「アウトプットするばかりではなく、インプットする時間が欲しい」という気持ちが強くあります。
周りは速いスピードで進んでいくけど、私は自分のテンポで歩みたい。それができたら、忙しくなったときにも自分を見失わずに済むと思いますし。余裕と余白を持つことで感性が生まれると気づけて、今は自分の人生を自分でコントロールしたいと思っています。