’18年「あざとかわいい」と遅咲きのブレイクを果たした松本まりか。’23年には大河ドラマ『どうする家康』の出演も控えるなど、キャリア絶頂期を迎えている。しかしその裏で、今年は度々と“病みツイート”が話題になるSNSでの発言や突然の休業など、世間の関心を数多く集めた1年でもあった。
現在、公開中の映画『夜、鳥たちが啼く』では孤独なシングルマザーの裕子を演じる松本に、演技へのこだわり、言葉に真摯に向き合う訳、休みを経て変わった仕事観など激動の1年を振り返ってもらった。
◆「日々に追われ破綻していた」撮影時
──激震の1年でした。一つひとつの役に集中するのは、難しかったのではないでしょうか。
松本まりか(以下、松本):撮影時、日々に追われ破綻していたように感じます。ただ、今振り返れば、私自身の破綻している状態と、劇中の「自分をどう表現していいかわからない」裕子はうまくリンクしていたとも思います。
演技を頭で考えるよりも、自分をどれだけその環境に馴染ませられるかが、今の私にとっては大事。なけなしの技術でやって、表面的なお芝居にはなりたくないんです。なかなか思うようにいかないときもありますが、今回は自分のそのときの状態が役にも出たなとは思います。