本書ではまた、蜂がいなくなり、人間の手によって受粉をするために果てしない労力をかけている未来の世界を描いています。その舞台となるのは中国です。その世界はかなりディストピア的な様相を呈していますので、現在の中国の問題や監視社会などに関心がある社会派の読者に訴えることができるでしょう。人権や社会問題という文脈が考えられます。
さらに、中国を舞台とした部分はSFと捉えられますので、『三体』をはじめとした中国初のSF小説が大ヒットしている流れに載せることも考えられます。ここにもまた別の文脈があるわけです。
小説を愛読する層、環境問題に関わる層、社会問題に関わる層、SF愛好家、とそれぞれに違う読者が見えてきます。すると、ひとつの読者層に対してはあまりアピールできない企画でも、他の読者層に対しては強いアピール力があり、企画が通ることがあるのです。
実際、私も以前から出版したいと思ってほぼ1冊まるごと訳して各方面に働きかけてきた企画があるのですが、文脈を変えてみたことで、思いがけない形で動きがありました。この展開については、また別の機会に詳しくご紹介できればと思います。
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