最近、テレビや雑誌で「腸活」という言葉をよく目にしますが、「お通じが良くなる」以外にも、身体にとって良い影響がたくさんあることを知る人は少ないのではないでしょうか。
小林弘幸医師と加治ひとみさん
“奇跡のボディをもつアラサー美女”として、話題沸騰中の加治ひとみさん(@kaji2608・34歳・通称:かぢちゃん)は、腸にいい生活を送ることで、美ボディと健やかな心身の状態をキープしています。
本記事では、そんな加治ひとみさんが順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生に「腸と自律神経の深〜い関係」について教えてもらいました! じつは加治さん、小林先生がこれまでに出した「自律神経」や「腸活」についての著書を日々愛読しているんだそう。
小林先生は『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)の著者であり、自律神経研究の第一人者。さらに順天堂大学病院に日本初の便秘外来を解説した“腸のスペシャリスト”としても知られています。
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腸と自律神経には深〜い関係がある
加治 私が腸活を始めたのは10年ほど前で、最初はデトックスという感覚でした。食べるものを意識するようになったら1週間でお通じがよくなって、3か月くらいすると体もすっきりして。ストレスを感じにくくなり、気持ちも安定するようになった。腸活の効果は身をもって感じています。
小林 実感されているように、腸は自律神経と深いかかわりがあります。心臓にしろ肺にしろ、臓器は自律神経によってコントロールされています。腸もまた、自律神経のコントロール下にあるので、自律神経が乱れると腸の動きが乱れてしまうんです。
また、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの約95%は腸で作られています。セロトニンは交感神経と副交感神経を調節する働きを良くしてくれる神経伝達物質です。つまり、腸内環境をよくすることで自律神経も整えられるというわけです。
加治 緊張するとお腹が痛くなって、でも、緊張状態から抜け出すと薬を飲んだわけでもないのに嘘みたいに痛みがおさまります。私だけでなく、みんな経験あると思うんですが、それも自律神経の影響ですよね。
小林 それが「腸脳相関」。腸と脳は互いに影響をし合っているんです。
行動が腸に支配されている!?その感覚の正体は…
加治 新学期や新入社や転職など環境が大きく変わるとき、年齢関係なく緊張するものです。過去を振り返ってもずっとそうで、一つひとつが自律神経と関係していたんですね。睡眠や食事にも影響がでるので、腸によって自分の行動が支配されているような感覚もあります。
小林 腸は自律神経に加え、もう一つ、独自の神経ネットワークを持っています。手術で切除した腸って、体から切り離されているのにしばらく動いているんですよ。それは、独自の神経細胞を持っているから。これは他の臓器にはないことです。
加治 腸にかかわる神経は二つあるんですね。
小林 独自の神経を持つことから、「第二の脳」と言われますが、じつは正確に表現するなら、「脳は第二の腸」と言うのが正解なんです。虫も動物も人間も発生学的には、先に腸ができて、脳はその後にできる。