二世帯住宅のメリット3:相続対策に有効

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さらには、相続対策にも有効です。二世帯住宅にして子が親と同居して親名義の土地を相続すると、「小規模宅地等の特例」により、土地の相続税評価額が80%減の20%となり、相続税が減額される可能性があります。国税庁の調査によると相続財産のうち土地の占める割合は38%(2016年度)です。2015年1月1日より、相続税の基礎控除が減額されたので課税される人が増えました。

課税対象額が増えると納税額が増える可能性があります。特例を有効活用する場合、登記は親または子の単独登記か出資割合に応じた共有登記にしておくとよいでしょう。ただし、世帯ごとの区分登記の場合、特例は使えません。

二世帯住宅のメリット4:将来子育てがしやすい

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現在子育て中の人もいれば、これから子育てをする人もいるかもしれません。そうした皆さんは、「子育てで自分の親が頼れたら楽だなぁ」と考えているのではないでしょうか。離れて暮らすよりは頻繁に交流できます。子どもは急に発熱したり体調を崩したりしやすい傾向があります。そういうときにすぐ隣に親(子どもにとっては祖父母)がいる安心感は何物にも代えがたいといえるでしょう。

空き部屋ができてしまったら

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二世帯住宅は文字通り2つの世帯で使う家屋ですが、戸建て2件分のスペースはありません。なぜなら、共有スペースを省くなど合理的な間取りになっているからです。もし親世帯のスペースを使わなくなったら、自分が利用することもできますし、貸し出すことによって賃料収入が入ってきます。賃貸併用住宅にすることを考えるなら、親世帯は1階、子どもの世帯は2階などというように、親世帯と娘世帯とを独立性の高い設計にしておくとよいでしょう。

さらに、家屋のうちの賃貸で使用している部分は20%程度の評価額が減額となります。そのうえ「小規模宅地等の特例」により200平方メートルを上限として50%評価額が減額可能です。そのため、合わせて60%程度の評価額になり相続対策として有効といえます。

親子だからこそお互いに配慮が必要

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親が60代とすると、これから20~30年一緒に暮らすことになりますから、メリットばかりに目を向けて決めるのではなく、お互いしっかり話し合うことが一番大切です。たとえば、親世帯が朝型で自分が夜型など、生活のリズムが違うことも考えられます。ストレスにならないよう、それぞれのライフスタイルやプライバシーを尊重できるルールを作っておくと安心です。「親子だから大丈夫」と決めつけず、「親子だからこそ」お互いが依存しすぎないようにする必要があります。

文・藤原洋子(ファイナンシャルプランナー)

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