7.犬の肥満による病気も把握しておこう

ここまで犬のダイエットについてお話をしてきましたが、そもそもなぜ犬を太らせてはいけないのでしょうか?

それは、肥満は“万病のもと”、つまり愛犬の寿命にも大きく影響する非常に危険なものだからです。

肥満状態にある体の中を覗いてみると、内臓にはたっぷりの脂肪が。そして、その蓄積された内臓脂肪からは炎症性の物質が放出され続け、実は体内では、症状に出ないレベルの軽度な炎症状態が続いています。さらにその炎症が長く続くことによって、やがてさまざまな病気を引き起こすのです。

肥満がリスクとなる病気

糖尿病・インスリン抵抗性・高血圧・腎臓病

場合によってはインスリン注射や血圧薬の投与など、長期にわたって大変な治療を続けていかなければいけないものです。しかしどの病気も、適切な栄養と運動による体重の維持によって予防できることが多いといわれています。

関節炎

肥満状態のペットにはよく見られるもので、犬の腰、膝、肩、ひじに重度の関節炎を引き起こします。犬にとってその痛みはとてもつらいもの。関節炎が原因となり、衰弱に苦しむケースもあります。

がん

近年ペットの高齢化とともにがんは死因の上位を占めていますが、肥満がもたらす慢性炎症とがんの発生の因果関係が近年注目されるようになってきました。

8.まとめ

犬の肥満は、命をも脅かすとても恐ろしいもの。
しかし、飼い主さんが肥満に対するリスクを理解し、食事や運動などにおける飼育環境を正しく整えることによって、愛犬の健康寿命を長くすることができるのです。

大切なのは、まずは“太らせない”こと。
そしてもしも太ってしまったら、自己流ダイエットは避け、獣医師と一緒に計画的にダイエットを進めていきしょう。


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