「うちのワンちゃんは太り気味?」そんな心配を一度でもしたことはありませんか。
ダイエットをしようにも、どうすれば良いのかわからない。適正体重はどのくらい?そもそもどうして太っちゃいけないの?

そんな犬の肥満にまつわる疑問を解消しながら、理想的なダイエット方法をご紹介します。

1.犬がダイエットを始める基準

愛犬にとってダイエットが必要かどうか、飼い主さんでもなかなか判断は難しいでしょう。
犬の体型における主な考え方を2つご紹介します。

ボディ・コンディション・スコア(BCS)

評価方法としてもっともポピュラーなのが、9段階の結果に分けられる「ボディ・コンディション・スコア」(以下、BCS)です。
このBCSによって、ダイエットの必要性やふさわしいタイミング、ダイエット方法などを獣医師とともにプランニングしていくのがベスト。
実際にどのように測られ、どのような診断基準なのかを見ていきましょう。

◆BCSの測定方法

① 体を横から見て、ウエスト部分にどのくらいくびれがあるかをチェックします。
② 体を上から見て、ウエスト部分にどのくらいくびれがあるかをチェックします。
③ 肋骨をなでて、どのくらい骨が浮き出ているかをチェックします。
④ ウエストの部分を触り、どのくらいくびれがあるかをチェックします。
⑤ 腰の骨を触り、どのくらい浮き出ているかチェックします。

◆BCSの判断基準

【獣医師監修】理想的な犬のダイエット方法 肥満の基準や成功ポイントについて解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

マッスルコンディションスコア(MCS)

ダイエットのプランニングには、「マッスルコンディションスコア」(以下、MCS)を取り入れることもあります。これは犬の筋肉量を確認するためのもので、目視検査と頭部、肩甲骨、背骨、腰椎などの触診によって評価されます。

かかりつけの獣医師によって評価してもらえるようであれば、愛犬の体型を知る一つの材料としてMCSを取り入れてみるのもおすすめです。

◆MCSの判断基準

正常な筋肉量 頭部の咀嚼筋はやや失われている。肩甲骨、背骨、大腿骨、肋骨がうっすらと浮き出ている。
軽度の
筋肉量低下
頭部の咀嚼筋は緩やかな丸みを帯びている。肩甲骨、背骨、大腿骨、肋骨は適度な筋肉に覆われていて、浮き出ていない。
中程度の
筋肉量低下
頭部の咀嚼筋はかなり失われ、側頭部にわずかなへこみが見える。肩甲骨、背骨、大腿骨、肋骨は明らかに浮き出ている。
重度の
筋肉量低下
頭部の咀嚼筋はほとんど失われ、側頭部にはっきりとしたへこみができる。肩甲骨、背骨、大腿骨、肋骨に筋肉はほとんどなく、骨と皮ばかりの体である。

2.犬が太ってしまう原因

【獣医師監修】理想的な犬のダイエット方法 肥満の基準や成功ポイントについて解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

犬が太ってしまう原因は、日常の様々なところに潜んでいます。
思い当たることはありませんか?ここであらためて、愛犬との毎日を振り返ってみましょう。

原因1 運動不足

一般的な飼育犬の運動量は、本来犬が必要としている運動量と比べるとあきらかに不足しています。みなさんが日頃されているお散歩では、しっかりと“運動”ができているでしょうか。
遊ぶことが目的のカジュアルな“散歩’’と、健康維持が目的の“運動”は別物であることを認識することが大切です。

原因2 適正摂取カロリーの認識不足

市販のドッグフードには犬種や体重別に参考給餌量が表示されていますが、それはあくまでも参考量。本来ドッグトフードの給餌量は犬種や体重に加え、そのときの健康状態や運動量、理想的な体重との解離具合も含めて決めるのが正しい方法です。
この正しい食事量が守られないとカロリー過多になってしまうことがあり、それはやがて肥満へとつながるのです。

原因3 飼い主との関係性

室内での飼育が主流になった現代、犬と飼い主との距離は非常に近くなりました。そのため、犬の要求が飼い主に通りやすく、本来の食事以外のものを口にする機会も多くなっています。
おやつのおかわりをおねだりされて、ついつい応じてしまったことはありませんか?
それこそが太る原因なのです。

3.太りやすい犬種はある?

犬が太ってしまう原因は、前述のとおり運動不足や過食・ドッグフード以外のものを口にすることによるカロリーオーバーです。
つまり、愛犬が太るか太らないかは飼い主さんの意識と飼育環境によるもの。
犬種にかかわることなく、どの犬にも適切な体重管理を心がけることが大切です。