4.正しい犬のダイエット方法【食事・運動方法】

肥満が犬の健康を脅かすのは確かなことですが、正しい知識のない乱暴な減量も非常に危険です。食事・運動それぞれのダイエットにおける大切なポイントを見ていきましょう。

食事面で気を付けること

【獣医師監修】理想的な犬のダイエット方法 肥満の基準や成功ポイントについて解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

ポイント1 適正体重の正しい把握

まずは愛犬の現状を正しく知りましょう。そのうえで獣医師とともに適正体重を算出し、一日に摂取するべきカロリーをしっかりと把握します。

ポイント2 ダイエットフードの利用と移行期間

それまでのドッグフードを見直し、ダイエットフードをスタートさせます。ただし、突然全ての食事を変えるのではなく、緩やかな移行期間を設けることが大切。
まずは食事全体の4分の1量を1〜2日間ダイエットフードに。さらに2日間は2分の1量に増やし、最後の2〜3日間は4分の3程度に。このように一週間ほどゆっくりと時間をかけてダイエットフードへ切り替えていきましょう。

ポイント3 経過観察と見直し

こまめに体重を測定しながら、丁寧に経過観察をしていきます。
ダイエットフードを始めてから90日以内に望ましい体重減少が見られない場合は、一日の摂取量やフードのタンパク質の配合などを見直す必要があるでしょう。

ポイント4 人間の食事を与えるのはNG

人間の食事を与えることが習慣化してはいませんか?
例えば30g程度のチーズひとかけらでも、犬にとっては人間がハンバーガー1.5個分を食べるのと同じくらいのカロリーに相当すると言われています。
「ダイエット中だけどたまにはいいか…」。そんな油断は決してせずに、それまでの悪しき習慣を断つ強い意志を持ちましょう。

運動面で気を付けること

【獣医師監修】理想的な犬のダイエット方法 肥満の基準や成功ポイントについて解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

ポイント1 正しいウォーキングの認識

ここでいうウォーキングは、遊びを目的とした“散歩”ではなく、健康維持を目的とした“運動”です。このウォーキングは、おそらくみなさんが日常的に行っている散歩とは、歩くペースが大きく違うでしょう。

米国の「ペット肥満予防協会(Association for Pet Obesity Prevention)」が推奨しているウォーキングのスピードは、1マイルあたり約15分。つまり、約1.6kmの距離を15分間で歩く程のスピードです。ペットの年齢や健康状態にもよって変わりますが、まずはこの認識がポイントとなるでしょう。

ポイント2 運動方法や遊び方の工夫

外でウォーキングをしたり走り回ったりすることだけが運動ではありません。水泳やボール遊びも立派な運動であり、それは犬種や年齢、性別、身体能力、知的関心によって適したものが変わります。
トレッドミルのようなマシンも、外で運動ができない事情のある犬にとっては非常に効果的なアイテム。愛犬にとって最適な運動方法を見つける工夫をしてみてください。

ポイント3 一日の運動時間

一般的に、一日の運動時間として30分設けることが推奨されています。愛犬にとって適した運動方法が決まったら、ぜひこの時間も目標に置いてチャレンジしてみてください。

5.ダイエットを成功させるポイント

【獣医師監修】理想的な犬のダイエット方法 肥満の基準や成功ポイントについて解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

ダイエットを成功させるポイントとしては、愛犬の現状を正しく把握すること。そして、自己流は避け、定期的に獣医師との連携を図ることです。

こまめな経過観察

日々の食事量やその内容、愛犬の様子などとともに、目標体重に向けた体重の推移を記録するなどこまめに経過観察をしましょう。

獣医師とダイエットプランを作る

たとえしっかりと経過観察をしていても、飼い主だけがそれを見ながら自己流ダイエットを進めていてはあまり意味がありません。専門家である獣医師にも経過を共有し、愛犬の健康を守る“伴走者”になってもらいましょう。そうすることによって、適切なダイエットプランの継続や見直しを図ることができます。

6.ダイエットの際の注意点

【獣医師監修】理想的な犬のダイエット方法 肥満の基準や成功ポイントについて解説
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

ダイエットをする際に絶対に注意しなければいけないのが、過度な食事の減量にならないようにすること。「早く結果を出したい!」そんな焦りからつい、急に食事量を減らしたり、減らす量を極端に多くしたりしてしまいがちですが、これは非常に危険です。このようなクラッシュダイエットによって、肝不全などの深刻な病気を引き起こしてしまう可能性があります。

犬にとって体重を減らすということは、それほど簡単なことではありません。3~6か月間ほどを目標達成期間として、獣医師と相談しながら、段階的で安全なダイエットになるよう心がけましょう。