田舎で2人暮らしする際の「生活費」

田舎暮らしは意外と費用がかかる!気になる生活費や初期費用を抑える方法もご紹介
(画像=『移住したい』より引用)

田舎暮らしを始めるにあたって、気になるのが毎月の生活費です。
生活にかかるコストのことを把握しないまま田舎移住した場合、「こんなに生活費がかかるなんて思わなかった」「田舎に移住したらもっと節約できると思っていた」といった失敗に繋がりやすくなっています。移住してから慌てなくて済むように、移住前におおよその生活費を知っておくことが大切です。以下は、生活にかかる費用を考える上で押さえるべき主な項目です。

・食費
・住居費
・光熱費
・通信費
・日用品など

ここでは、総務省統計局が2020年に実施した「家計調査 家計収支編1-1」を基に、田舎エリアで2人暮らしをする場合の生活費を解説していきます。

食費

田舎暮らしを2人でする場合の食費は、76,706円となっています。
食費は、どのような生活をするかで激しく増減する費用です。
外食や出前などが多い世帯では、必然的に食費がかさみやすい傾向にあります。一方で朝昼晩の3食を自炊中心にした場合、食事にかかるコストを節約することができます。
田舎暮らしをする際は、現地生産の食材が多い移住先を選ぶのがおすすめです。野菜、魚介類、米といった食卓にあがる頻度が高い食材が生産されている場所では、良質な食材がリーズナブルな価格で取り引きされています。食費を抑えながら生活できるので、長期的な生活費の節約に繋がります。

住居費

2人世帯が田舎暮らしを始める場合、住居費の平均は17,472円です。
住宅にかかる費用は、都市部よりも田舎エリアの方が抑えられるというのが一般的です。土地代自体が安くなっていることから、家賃や住宅購入費を節約することができます。田舎エリアに移住する場合、空き家、古民家、新築・中古の一軒家、アパートといった幅広い住居から選択できる点もポイントです。
空き家や古民家は住居費が安い傾向にあり、無料やそれに近い価格で住める住居も多数存在しています。「都会だと給料の大半を住居費に吸い取られてしまう」「家にかけるコストを抑えてもっと余裕のある生活がしたい」といった悩みを持つ方は、田舎エリアに移住することで経済的負担を軽減できる可能性が高めです。
ただし、地方都市や観光地として人気が高いエリアにおいては、住居費が高額に設定されているので注意が必要です。

光熱費

田舎エリアで2人暮らしをする際の光熱費は、22,701円です。
都市部の光熱費と同程度という特徴があり、田舎に移住してもさほど大きな変動は見られません。
ただし、気候が不安定な地域に移住する場合は、冷暖房費用がかさむことを考慮する必要があります。22,701円よりも高額になる可能性が高いので、光熱費を押さえたい方は寒暖差が少ない地域を選ぶなどの対策を取りましょう。

通信費

田舎に移住した場合の通信費は、2人暮らしで16,480円が相場です。
主な通信費には、携帯電話料金、インターネット料金、有料放送の視聴料などが含まれます。都市部の通信費が15,650円となっていることから、田舎エリアの方がやや高いという特徴が見られます。
ただし、田舎暮らしを機に在宅ワークを始める場合は、相場よりも通信費が高額になる可能性を考慮しましょう。電話の頻度やインターネットの容量を増やすことで通信費も上がるので、「都市部にいた頃よりも通信費が高い」「どんなに節約しても通信費を抑えられない」といった事態に陥りがちです。

日用品など

2人世帯が田舎暮らしをする場合、日用品などにかかる費用の平均は13,080円です。
都市部よりも若干節約できるという特徴があるものの、移住先によっては日用品代が高くなる可能性もあります。
沖縄県をはじめとする離島エリアでは、その他の地域よりも輸送にかかるコストが高額です。そのため、日用品の本来の料金に輸送費が上乗せされて販売されています。店舗、オンラインショップ共に都市部より日用品代がかかりやすくなっているため、「生活必需品なのに日用品が高くて気軽に買えない」「日用品代が家計全体を大きく圧迫している」とならないように事前調査を徹底しましょう。

田舎で2人暮らしする際の「年間費用」

田舎暮らしは意外と費用がかかる!気になる生活費や初期費用を抑える方法もご紹介
(画像=『移住したい』より引用)

田舎エリアに移住する場合、忘れてはならないのが年間費用です。田舎暮らしにかかるコストは、初期費用や生活費だけではありません。毎年支払う必要がある年間費用のことも考慮し、田舎移住を計画的に進めましょう。田舎暮らしにかかる年間費用は、主に以下のようになっています。

・別荘地管理費
・固定資産税
・自動車保険・自動車税
・浄化槽管理費

年間費用の中には、都市部からの移住者が見落としがちな田舎ならではのものも存在します。「田舎暮らしにかかる年間費用っていまいちピンと来ない」「年間費用を払っていけるか見極めてから移住を決めたい」という方は、この機会に田舎暮らしの年間費用をしっかりと把握しておきましょう。

別荘地管理費

別荘地管理費は、別荘エリアで田舎暮らしをする場合にかかる費用です。
本来別荘は、常に暮らすことを想定して建てられていません。人がいない時期が一定期間続くことを前提としているため、清掃などのメンテナンスを管理清掃会社に依頼するという仕組みが確立されています。元々別荘として販売されていた物件を購入する場合は、別荘地管理費の有無について事前にチェックすることが大切です。
別荘地管理にかかる費用は、住宅や土地の広さによって異なります。非常に高額になるケースもあるため、知らずに住宅を購入すると大きな痛手となってしまいます。
また、自分でメンテナンスを行いたい方は、別荘地の管理契約を解約できるか必ず確認しましょう。場合によっては解約に時間がかかることもあるので、納得した上で移住先の住宅を決めることがポイントです。

固定資産税

田舎エリアで住宅を所有する場合、固定資産税の支払いが発生します。
固定資産税とは、土地、家屋、畑などにかかる税金のことです。固定資産税評価額に税率の1.4%をかけた金額が納税額となっており、年に1回支払いを行う必要があります。持ち家で田舎暮らしをする場合は100%納税義務があるため、住宅の購入を検討中の方は気を付けましょう。
尚、固定資産税の支払いは、無料で譲渡された空き家も対象となります。住宅や土地自体にかかる税金なので、無料の物件でも固定資産税の納税義務がある点に注意が必要です。

自動車保険・自動車税

田舎暮らしを始めるにあたって、自動車保険と自動車税の年間費用がかかります。
公共交通機関の便が悪い田舎エリアにおいて、車は生活必需品です。都市部のように車なしでも生活が成り立つ環境ではないため、自動車保険と自動車税の支払いが発生する点に注意しましょう。
自動車保険料は、移住先の都道府県によって異なります。最も安い都道府県は沖縄県で、平成28年度の年間保険料は8,800円です。
また、自動車税の費用は、車の排気量ごとに変動します。最も納税額が低いのは軽自動車となっており、2022年の納税額は10,800円です。乗用車の場合は車を購入した年と月で自動車税の費用が変わるので、場合によっては高額になる点に気を付けましょう。
尚、2人暮らしで車を1台ずつ所有する場合は、年間保険料と自動車税額を2倍で計算してください。

浄化槽管理費

田舎暮らしする際の年間費に、浄化槽管理費が挙げられます。
浄化槽管理費とは、浄化槽を正常かつ安全に使用し続けるためのメンテナンス費用のことです。年に3回程度の保守点検と、年に1回の定期点検及び清掃を行う必要があります。
保守点検にかかる費用は、1回につき1万円前後です。また、定期点検が約5,000円、清掃にかかる費用が2万円ほどというケースが多く、浄化槽管理費は年間5~6万円となっています。