田舎暮らしの実態について知っておくことは、田舎移住の成功率を高めることに直結します。この記事では、移住者から見た田舎暮らしのプラス面とマイナス面、1ヶ月のリアルな生活費、田舎暮らしの実態が分かる書籍について紹介していきます。

移住者から見た田舎暮らしの実態(マイナス面)

田舎暮らしって本当のところどうなの!?移住者の生の声をもとに実態を調査
(画像=『移住支援.com』より引用)

田舎暮らしの実態を知る上で、マイナス面について知ることは非常に重要です。
悪い部分を知らないまま移住を決めてしまった場合、移住に後悔してしまう可能性が高くなっています。定住できずに数年で田舎暮らしを断念する移住者もいるため、あらかじめ田舎暮らしに伴うデメリットを確認しておきましょう。以下は、田舎で生活する際の主なマイナス面5つです。

・田舎暮らしは都会の価値観が通用しない

・田舎ならではの密な人間関係

・自治会の会合やイベントの参加強制

・交通の不便さと娯楽施設の少なさ

・田舎暮らしは高い創造性が求められる

田舎は、都市部から隔絶されたエリアです。独自の価値観、人間関係、ルールがあり、都市部からの移住者にとって受け入れにくいことも多くなっています。生活のしにくさや楽しみの少なさなどもあるため、移住する際はその点も十分に覚悟して臨むことが大切です。それでは、各マイナスポイントの詳細について説明していきます。
自分が思い描いている田舎暮らしのイメージと比較し、理想と現実のギャップを近づけるように努力しましょう。

田舎暮らしは都会の価値観が通用しない

田舎暮らしの実態に、現地特有の価値観の存在が挙げられます。
田舎エリアは、非常に小さなコミュニティで形成されています。他の地域から流れてくる人も少なく、閉鎖的な雰囲気が特徴です。よその文化や人々と交わりながら生活する必要がなかったことから、田舎エリアには都市部にはない独特の価値観が残っています。
価値観が全く異なる環境で暮らす場合、馴染むまでに時間がかかる、移住先に上手く適応できないといった状態に陥りがちです。時に自分が持つ価値観を曲げることも必要になるため、精神的な負担が大きいというデメリットがあります。

田舎ならではの密な人間関係

田舎独特の濃い人間関係は、田舎暮らしに見られるマイナスの実態です。
田舎エリアは、都市部と比べると娯楽が限られています。そのため、近隣住民との交流を娯楽要素のひとつと考えている現地住民も多く、他人にやたらと干渉したがる傾向にあります。
プライベートなことを尋ねてくる、井戸端会議や噂話が好き、家の中に入ってくるといった距離感の近さが見られるので、「いろいろ詮索されているみたいで居心地が悪い」「自分のスペースに勝手に侵入しないでほしい」と不快感を覚える移住者が多くなっています。

自治会の会合やイベントの参加強制

田舎暮らしで目の当たりにする実態のひとつが、地域交流の強制参加です。
住民同士の絆や繋がりが深い田舎エリアでは、年間を通して頻繁に催し物が行われています。自治会の会合、奉仕活動、祭り、イベントなど、実施されている催し物の種類は自治会によってさまざまです。地域住民全員が参加することを暗黙の了解としているエリアも多いことから、自分の時間を確保しにくいという点に不満を感じる移住者が多くなっています。
田舎エリアでは、お互いが協力し合うことを美徳としています。

地域住民みんなで集まってひとつの事柄を成し遂げることに重きを置いている住民も多く、不参加の住民は非協力的だと判断されがちです。そのため、地域交流への参加は、現地住民と良好な関係を築く上での必須条件になっています。精神的なストレスが大きくなりやすいことから、田舎暮らしを後悔する層も多数存在しています。

交通の不便さと娯楽施設の少なさ

田舎暮らしの実態に、交通の便の悪さと娯楽要素の少なさが挙げられます。
都市部から離れた田舎エリアでは、公共交通機関が充実していないことが一般的です。電車やバスの本数が1日に数本しかない、バスのルートが偏ったエリアしか網羅していない、終電や最終バスが早いといったケースもあり、非常に不便です。

また、人里離れた田舎エリアは、道路の整備がされてないことも多い傾向にあります。
高速道路や有料道路が通っていない自治体も存在していることから、移動の際に不便さを感じてしまいがちです。尚、田舎暮らしをする際は、娯楽施設が少ない点にも注意が必要です。
都会には、カラオケボックス、ボウリング場、遊園地、スポーツ複合アミューズメント施設、動物園をはじめとするさまざまな娯楽施設が集まっています。バラエティー豊富な施設があり、休日の度に違った場所でお出掛けできるというメリットがあります。
一方の田舎エリアには、限られた娯楽施設しかありません。自治体によっては娯楽施設の数がゼロということもあるため、知らずに移住すると「遊べる場所が何もなくて毎週末することがない」「遊びに行くだけなのに最寄りの娯楽施設まで数時間移動しないといけない」といった事態に陥りやすくなっています。

田舎暮らしは高い創造性が求められる

田舎暮らしを始める際は、創造性を意識することが大切です。
生活における創造性とは、自分自身で考えてアイデアや解決策を生み出すことです。都市部から田舎エリアに移住する場合、気候、利便性、人間関係、物価をはじめとするさまざまな違いに適応していく必要があります。

そのため、移住先の環境にいち早く馴染むために模索し、「どうすれば自分がその地で快適に暮らせるか」「どのような工夫をすべきか」について常に考えることが非常に重要です。
創造性を意識しないまま田舎暮らしを続けても、自分の中で適応するための新たな価値観や考え方を生み出すことはできません。現地の生活に馴染むことが難しくなるため、田舎暮らしをスタートさせる際は気を付けましょう。