子育て世代の田舎移住!夢ばかりじゃない…
在宅ワークが一般化しつつある中、多くの子育て世代が田舎移住に興味持ち始めているなんて話が、ニュース番組などで取り上げられていますよね。
自然豊かな環境で、のびのびとした子育て…のんびりとしたノーストレスな生活…自給自足も楽しみながらのスローライフ…想像してみるだけでも、悠々自適な幸せな日々!と、夢が膨らむことも多いでしょう。ですが、夢で生活ができません。現実をちゃんと見ていますか?
田舎への移住生活というと、ロハス・オーガニック・ストレスフリー・DIYなんていう今時の❝オシャレ感❞があるものの、現実は大変なものなんですよ!
病院不足・病院レベル、少子化、町内会の強制、美容院の少なさ、教育格差、買い物ができる場所の少なさ…不便な点を挙げればキリがありません。暮らせばなんとかなるでしょ?と思うかもしれませんが、いいえ、実際はそんなに甘くないんです。
という筆者である私自身も、田舎への移住生活をしている人間。慣れるまでの間、つらくて帰りたいと思うこともありました。田舎移住をするまでは、都心部でOLとして働き、仕事を介して自己実現できていた喜びもあったので、それがなくなった田舎移住で、苦しい時だってありましたし、移住を後悔をしたことも…。
理想のストレスフリーな生活…それも、適度な刺激がないとただつらいだけ…そんなこともあるんですよね。
子育て世代が田舎移住をする前に考えたいこと
「若いからなんとでもなる!」という意見は、確かに一理あります。特に田舎移住においては!自然に触れさせながら子育てしたいという夢も、もちろん否定しません。ただ移住生活に失敗して、尻尾を巻いて即都会に帰る人も多くいます。その差はなんでしょうか?
大きな別れ道になるポイントは、田舎移住をする前にしっかり現実を考えているかどうかです。行ってなんとかなる!と、来てから痛い目に遭う前に、少し考えてみましょう。
子育て世代が田舎移住の前に考えたいこと①移住先の子育て制度・地域性
移住先の子育てに対する支援や制度は、地域によってまったく異なります。子育て世代に配慮した支援活動を行っている地域(市・町)もありますし、移住者に向けた支援制度・補助金がしっかりしているところもあれば、残念ながらまったく移住者自体を受け入れる気がない・よそ者扱いする地域もあるのが現状です。
これは町が支援体制をとっていたとしても、移住先の地域の人柄・地域性も起因しています。
実際に現状としてはまだ、村八分のようなよそ者を受け付けない風習がある地域もありますから、そういった場合子育てに向いているかといえばどうでしょう?
できれば、移住を決める前に、何度も足を運んで町の人の雰囲気を知り、できれば地元の方との交流、地元不動産の聞き込みなどもまめに行っておいた方が良いでしょう。行った後で、想像と違ったなんてことになってしまわないよう、入念に確認しておいた方がベター。
子育て世代が田舎移住の前に考えたいこと②移住先の生活環境
田舎への移住生活は家賃も安くて節約になるというのは、ハッキリ言って誤認識です。
衣食住でいうと、確かに、『住』の意味では家賃は安いです。しかし、スーパーなどの店舗数も多くはないため、価格競争が起きず、『食』は対して節約になりませんし、衣食住の『衣』も、基本的に今どきのオシャレなお店は言うまでもなく、都心部よりも圧倒的に少なく、ネットショッピングがメインになることでしょう。
『食』に関しては、周辺の農家さんなどの知り合いができれば、新鮮な採りたて野菜をもらえるなんてこともありますが…。ただ、衣食住のみならず、病院もそうです。高度医療をすぐに受けられる環境とは限りません。子育てとなると、急な発熱・予想できないケガなどもあるんですよね…。
そんな時に、すぐに対応できるよう、移住先の環境についても、十分に考えておく必要があります。
子育て世代が田舎移住の前に考えたいこと③働き口の有無
在宅ワークで共働きならまだしも、自分は現在専業主婦、あるいはパートをしているという方の場合、移住に選んだ先で、いざ働きたいと思っても、都心ほど選べる職種がありませんし、働く時間帯についても、都心ほど自由がききません。これは雇用体系に関してなどではなく、根本的な『働き口の少なさ』という話です。
また、子育てが落ち着いて働きたいと思ったとしても、働き口の選択肢は絶対的に少ないのが現実。
さらに、時給・給与という意味でも、都心よりも低賃金という覚悟が必要です。看護師・ヘルパー・調理師など、専門の資格などがあるならまだしも…。『会社』自体が少ないので、オフィスワークはほぼ皆無だと思っておいて間違いないでしょう。
地域に職業斡旋をしている団体や施設もあることが多いのですが、フレキシブルな思考やメンタルを持っていないと、働きたい意思がある女性にはつらいこともあるかもしれません。
子育て世代が田舎移住の前に考えたいこと④通学の利便性
小学校・中学校あたりの義務教育であれば、子育ての意味では、通学もさほど困ることはないかもしれませんが、高校生ともなれば話は違ってきます。田舎での移住生活の実態として、とにかく電車やバスの交通機関が不便!1時間に1本などは当たり前…。そんな中で、地元の高校に子どもが行きたいというのであればまだしも、電車での通学となると、駅までの送り迎えが必須になってしまう可能性も高くなります。
さらに、田舎移住をする地域にもよりますが、本当にある話として考えておきたいこと、それはイノシシやクマなどの猛獣が出る場所なんかも多いこと。こうなると、高校生云々ではなく、やはり送り迎えを余儀なくされるということも…。のんびり悠々自適な生活を…と考えていた移住生活も、実はとても忙しくやることが多いことに気づくかもしれません。移住先選びは、本当にしっかりと考える必要がありそうですね。