物件が競売にかけられるとどうなるか

さて、物件が競売にかかっていることが公になると、多くの不動産業者からの手紙が届くようになります。

知人の物件はターミナル駅徒歩圏の高級マンションで資産性があるため、不動産会社としては喉から手が出るほど欲しい物件です。

ほとんどが「うちにご相談ください。競売にかけられない方法があります!」とか「まだ大丈夫です!一緒にこれからの道を考えましょう!」という文言が印刷されているDMでしたが、あるときは便せん3枚に手書きされた、まさに「お手紙」をもらったこともあります。それだけ不動産会社も熱意を持って取得したい物件だったのでしょう。

知人の場合、最初から競売にかけることを想定していたため、どれだけお手紙をもらっても響くことはなかったのですが、ローンが返せなくなって不安でいる人にとっては、このような不動産業者が救世主のような存在に思えたかもしれません。

(写真=fizkes/Shutterstock.com)

住宅ローンを滞納したらできなくなった3つのこと

さて、そのような手紙にも反応せずにいると今度は、思いもかけない不便なことが突然起こります。

  1. クレジットカードが使えなくなる
  2. お金が借りられなくなる
  3. 携帯電話の新規契約ができなくなる  いわゆる「ブラックリストに載る」というのがこの状況です。斎藤さんが驚いたのは、その情報のまわるスピードの速さです。

    彼はたまたま海外に1カ月滞在していたのですが、行きには利用できた航空会社のラウンジや優先搭乗などのプレミアムサービスが、帰りは利用できなくなっていたそうです。

    これはカードにマイレージ情報が紐づいていたためで、個信に情報が載ったであろう翌月にはクレジットカードは利用できず、カードに付帯していたマイレージ会員のプレミアムサービスも利用できなくなっていたのです。

個人信用情報とは?
日本の個人信用情報を管理している機関は、CICとJICCの2種類あります。クレジットカードの支払い遅延やローンの滞納情報は自動的にこちらに登録されます。個信には5年前までの情報が記載されますので、一度滞納情報が載ると5年間はローンを組んだり、携帯電話を契約したりすることが出来なくなりますが、5年経てば滞納情報は消えます。もし自分の個信にどのような情報が載っているのか知りたい場合は有料になりますが、取り寄せることも可能です。

売却された物件のその後

資産性の高いマンションでしたのであっという間に買手が付き、落札した業者はすぐに売却したそうです。

ちなみに、住宅ローンを滞納しても競売にかけたくない場合は「任意売却」という方法もあります。また、そもそもローンの支払いに不安がある場合は、自分の給与収入から返済するのではなく、賃貸併用住宅のように一部を賃貸にしてその賃料をローン返済に充てるという方法もあります。

競売にかけられても普段の生活にはほとんど影響がなかった、というのが斎藤さんの感想ですが、ローンを組むときはきちんと支払えるかシミュレーションしてから契約するようにしましょう。

文・Swimmy(不動産投資家)/DAILY ANDS

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