ディスる が日本で使われだしたのは?②
上記のように2000年代、特に前半はヒップホップ関係の音楽やアーティストが流行したこともあり、有名なヒップホップアーティスト同士のディスる関係が最もあった時期だといえます。
そう考えるとメディアで使われていた絶頂期とはずいぶん離れてネットで流行りだしたといえますよね。
一見しただけでは分からないようなディスる例も
アーティスト本人やファンでないと分からないようなディスも多くあり、歌詞ではディスってないけどミュージックビデオでディスっていることもありました。
1つの例ではリップスライムのBLUE BE-BOP(2003年)という曲で
「さらば楽園愛したマヌケなベイベー」
という歌詞があり、これは平井堅さんのことをディスる意味を持つ歌詞なのではないかと話題になりました。
実際は楽園ベイベーという曲で売れて舞い上がっていた自分たちへの戒めの意味を持っていると考えられています。
ディスる発端は日本でもやはり音楽から
曲名や相手の歌詞の一部を使ってディスるのもありましたが当時から盗作だ名誉毀損だと言われていたため、特に現在では続けていくのが難しそうですよね。
当時のヒップホップ業界もそういった状態を問題視しており、それが原因でファン同士が敵視したりCD不買活動などがネットで繰り広げられていたのを覚えています。
ディスることから始まるコミュニケーションも?
今までの英語での歴史や使い方、略語の成り立ちなどを見ているとどうしてもマイナスのイメージが先行してしまいますよね。
ディスるという単語は元々重く他者への宣戦布告の一面も持っていたため、仕方ないのかもしれません。
ですが一方でポジティブな結果を狙って他者をディスるということもありました。
宣伝効果を狙ってディスる
有名なアーティストが他のアーティストをディスると両者の言い分が話題になったりしたため、お互いにとって一種の宣伝をかねた意味もありました。
今でいうとツイッターでの応酬が近い形でしょう。有名人の動向にはいつの時代も注目が集まるものですよね。
アーティスト同士のきっかけに
ディスったことをきっかけにアーティスト同士で言い合いが始まったり、逆に交流が始まったりといったケースもありました。
宣伝効果も見込めたためこれをわざと狙うアーティストもいたといわれています。
「NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」や「キングギドラ」「般若」などいかにもゴリゴリのヒップホップといったアーティストが多くいたのも特徴でした。
ディスられたらどうしていた?
ディスる方はさておき、ディスられたらヒップホップアーティストたちはどうしていたのでしょうか。
少しディスる行為自体に商業的な意味があるとしても、自分の作品や人格を否定されるようなことが続いてはさすがにまいってしまいますよね。
言い返したり放置したり
具体的には放置したり言い返したりとアーティストによってさまざまです。
これは英語圏のアメリカなど諸外国でも同じでした。
「有名人をディスって有名になる」ということを狙ったアーティストも多くいたため、有名アーティストは必然と放置する数も増えました。
アンサーソングも1つの文化
一方でディスられたらその返事としてアンサーソングを返すというケースも多くありました。
アンサーソングには相手のディスに対しての返答の意味が含まれており、一見しただけではタイトルから分からないこともあります。
直接歌詞にして論争に持っていったアーティストもいれば、ミュージックビデオの音源に入らない部分で感謝の気持ちをあらわすアーティストもいました。