現在でもアイヌ民族に偏見を持つ人はいるの?

現在でも日本全体の約20%の人がアイヌ人という理由で差別をされたり、差別されている場面を見たという調査報告があり、ほとんどが職場での差別だと言われています。
就職にまで影響を与える差別などあってはなりませんが、現実には一部とはいえ、現在でも差別的な考え方を持つ人は存在するようです。

現在のアイヌ民族の人口は?

北海道で現在アイヌ民族の血を引く人口を調べたところ、北海道庁では人口が現在2万3000~4000人という調査結果が出ています。
しかし世界的に現在のアイヌ民族の血を引く末裔の人口を調査すると、北海道や本州、ロシアなどの血筋のDNA検査をすることになり、現在アイヌの血を引き継いでいる人口は膨大な人数となります。

またアイヌ民族は侵略などの迫害の歴史があったことに加え、アイヌ民族の末裔であるということだけで激しい差別を受けて絶滅の危機にまで追い詰められた歴史からアイヌ人であることを隠す人もいたことから、世界的なアイヌ民族の人口調査は現在でも困難とされています。

現在のアイヌ人に対する世界的な活動は?

現在では少数民族保護や先住民族認定の動きが強まっていることからアイヌ民族もその対象となっています。
現在は自分がアイヌ人の地を引くことを誇りに思い、アイヌ民族への理解を深める活動を行っている人もたくさんいます。
そのため現在ではかつてアイヌ民族が暮らしていた集落は観光名所の一つとなっており、アイヌ民族は歴史上でも有名な民族として世界中で知名度が広がっています。

現在はアイヌ人の純血はいるの?

現在でもアイヌ人の血を引く人たちは現在でもたくさんいますが、アイヌ人の純血は現在ではもう存在しないという見方が強いとされています。
アイヌ人は迫害などの歴史的背景や、和人が北海道に運んでしまった伝染病がきっかけで、現在では大きく人口が減ってしまったとされています。

北海道では元々疫病の流行がなかったため、アイヌ人は寒さには強いものの病気に対する免疫力はなく、アイヌ人の間で伝染病が発症すると一気に道内の人々に拡大しました。
アイヌ人が感染した伝染病は天然痘、ペスト、梅毒といったもので、これらの和人が持ち込んだ病原菌はアイヌ人だけでなく北海道の生態系を壊滅的に破壊したと研究者は唱えています。

度々道内で起こった伝染病の流行と加速していったアイヌ人への迫害から、一部のアイヌ人は自分たちが暮らした場所を離れ、別の地でアイヌ人であることを隠し生活する人々もいました。
これらの歴史から、現在アイヌ人の純血は存在しない、存在したとしても現在では純血であるという立証をすることが非常に難しいとされています。