ここ数年ですっかり定着した「腸活」。『長寿菌まで育てる最高の腸活』(宝島社)には、美容と健康に加えて、健康寿命を決める「長寿菌」の秘密がいっぱい。著者は「腸内フローラ研究所」理事長、理科学研究所名誉研究員、細菌学者、獣医師の辨野義己(べんのよしみ)先生。
写真はイメージです。(以下同じ)
辨野先生の研究に「健康長寿者の腸内には酪酸産生菌が数多く住んでいる」というデータがあります。さらに「酪酸産生菌と善玉菌として知られるビフィズス菌を一つのグループとしてまとめ、『長寿菌』と名付け、研究を続けている」と本書。さっそく腸活をアップグレードしていきましょう。
「腸脳相関」って何?
便秘になると肌が荒れる、気分もふさぐ。こんな経験ありませんか。私も便秘体質ですが、単純に「溜まっている」感がどんより気分につながっていると思っていました。が、「脳と腸は、血管や血液、自律神経を通じて対話しながら、体内のバランスを調整したり、危機管理をしている」と言います。これが「腸脳相関」。しかも「腸内細菌は腸内を住み家にしているにもかかわらず、脳に影響を与えている」ことも研究で証明されました。
そしてここからが肝心。「大腸は人間の臓器の中で、唯一、食事の成分によってコントロールができる」という事実。私達が日々食べているものが、私達の腸や脳、腸内細を左右しているのです。つまり、自分の腸内細菌を自分でカスタマイズするのも、夢ではないのです。
「作る」「育てる」「出す」3つの腸能力
「長寿菌」のスイッチを入れるために必要なのは、理想的な排便です。そのために養うべきは、「作る」「育てる」「出す」の3つの腸能力だと本書。ただ出すだけではありません、「最高の腸活はいいウンチをデザインすること」。惚れ惚れするような形状で生み出すのが必須!
今日からさっそく腸活するぞ、と意気込んだあなた。ひとつだけ注意点があります。「腸活は結果が出るまで、あわてない、あせらない、あきらめない」。なぜなら「腸内の状態には個人差があり、安定的に腸内環境が推移した人が70%、不安定に推移した人が30%」という実験結果も出ているのです。しかし、スピードに差はあっても腸は確実に変わります。具体的に何をすればいいのか、本書からいくつか抜粋しますね。