貯める&備える
2018/08/30

先進医療費が最も使われるのはがんではない「医療保険」入らなくても後悔しない考え方のコツ

(写真=ESB Professional/Shutterstock.com)
(写真=ESB Professional/Shutterstock.com)
(本記事は、畠中雅子氏の著書『ラクに楽しくお金を貯めている私の「貯金簿」』ぱる出版、2018年6月22日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
 
【『ラクに楽しくお金を貯めている私の「貯金簿」』シリーズ】
(1)年金よりオトク?「財形貯蓄」の意外なメリット
(2)iDeCoを「やらなくて良い人も」居る?ふるさと納税もおさらいしよう
(3)頭金は「1割」で大丈夫 住宅ローンの「返済期間」が大事であるこれだけの理由
(4)介護費は子どもが出すべきではない 親に老後の相談をするコツとは
(5)先進医療費が最も使われるのはがんではないーー「医療保険」入らなくても後悔しない考え方のコツ

※以下、書籍より抜粋

医療保険の必要性

最終的には気持ちの問題なのでどちらともいえませんが、私は加入したほうがよいと思います。

保険の損得は結果論なので、最終的にどうなるかは誰にもわかりません。結局、気持ちの問題なのだと思います。

ただ、私はさまざまな人の家計診断をしてきたうえで、入ったほうがいいと考えています。

なぜなら、加入していなかった人が高齢になってから後悔する様子をたくさん見てきたからです。

「医療保険はいらない」という人の多くは、入院経験がありません。しかし、入院したことがある人に話を聞くと、保険に加入していなかった方の多くは後悔されています。

逆に、保険に入っていたことを悔やむ入院経験者には会ったことがありません。将来どの時点でどのような病気になるのかは誰にもわからないので、加入しておけば少なくとも後悔することはないでしょう。

高額療養費制度があるから医療保険はいらないという人もいますが、入院すれば何かと費用がかかります。

リネン代などに代表される諸雑費は毎日1000~2000円ほどしますし、家族が見舞いにくる際の交通費や個室に入った場合の差額ベッド代なども高額療養費の対象にはなりません。

結局、一ヶ月入院すると10万円以上は支払うことになります。

もし一般的な医療保険に入っていれば、1日につき5000円や1万円の入院給付金がもらえます。

入院を繰り返している医療保険未加入者は、この差を考えて後悔することになるでしょう。

あまり手厚くする必要もありませんが、入院と手術の保障は医療保険で確保しておくほうが安心でしょう。

保険料をあまりかけたくないという人は、自分に必要と思われるものをピンポイントで加入するのがいいでしょう。特に抗がん剤と先進医療は、安い保険料で高額療養費が適用されない部分をカバーできるのでおすすめです。

例えばチューリッヒの「終身ガン治療保険プレミアムDX」は、抗がん剤とホルモン剤治療を主契約とするがん保険で、抗がん剤を一本打つごとに10万円(契約は月30万円まで可能)が支払われます。

保険料は女性の場合、月額700円台程度で加入できます(月々数百円では契約できないので、年払いになる)。

入院保障などを特約で付けることもできますが、負担が増えますのであまりおすすめしません。抗がん剤やホルモン治療の保障に絞れば、わずかな保険料で、抗がん剤治療を繰り返すことになったとしても、保障が継続する安心を得られます。

抗がん剤は人によって合ったり合わなかったりがあるので、長くかかる場合は種類を変えて継続的にやっていくことになります。

そのため、このように何回打っても一生涯保障される保険は重宝するでしょう。

先進医療というとがん治療のイメージがありますが、白内障への備えも考えておきましょう。

民間の医療保険の先進医療費用の支払い数で最も多いのは、白内障の多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術だからです。

白内障は加齢とともに多くの人がかかる眼の病気で、多くの場合、治療には手術が必要です。

濁った眼球内のレンズを人工のものに取り替えるのですが、方法には単焦点と多焦点のふたつがあります。

前者は多くの眼科で受けられ、健康保険の対象でもありますが、ピントが合わせづらく、メガネの併用が必要です。

後者は高い技術が必要とされており、すべての眼科でできるわけではないのですが、近くのものも遠くのものもハッキリ見やすく、メガネを使う頻度は格段に減ります。

しかも、最近は先進医療として指定されている眼科やクリニックが増えており、かなり身近になっています。(厚生労働省のホームページで確認できます)。

先日、知り合いが白内障の手術をしたというので、話を聞いてみると単焦点レンズだったといいます。

「多焦点は私が通っている眼科ではやってないし、だいいち保険がきかないから、すごく高いでしょ!」と言っていました。

普通のクリニックに行くと単焦点になるようです。

しかし、その人の医療保険には先進医療特約がついており、多焦点も対象だと指摘するととても驚いていました。保険の内容をしっかり知っていれば、他の病院を紹介してもらい、お金をかけずに効果の高い多焦点レンズの手術を受けられたかもしれません。

将来的に白内障の多焦点の手術を受ける人は多いはずです。

ここで先進医療に対応する保険がピンポイントで役に立ちます。

例えば、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「リンククロスコインズ」は、月額500円の保険料で、厚生労働大臣が指定したすべての先進医療を通算2000万円まで保障してくれます。

白内障だけでなく300万円前後かかるがんの陽子線治療や重粒子治療も対象です。保険料に年齢や性別による差はありません。

誰でも69歳までに加入すれば、毎月ワンコインで一生涯保障を受けることができます。

医療保険を選ぶ際の考え方として、抗がん剤と先進医療だけは加入しておいて、あとは高額療養費があるので大丈夫というのも、成り立つのではないかと思います。

ピンポイントで加入する場合は、感覚や噂話ではなく、統計などを参考にして保険を決めるべきです。家系的にがんでの闘病経験を持つ親族が多かったり、高血圧のリスクが高かったりする人もいます。

有名人が亡くなるとその原因となった病気につい注目してしまいますが、人によって重点的にカバーしておくべき保障内容は違うのです。

例えば、乳がん子宮がんに備えようとする女性は多いのですが、実際に死亡者数が最も高いのは大腸がんです。

すでに複数の保険に加入しているのであれば、せめて保障内容についてはしっかり理解しておきましょう。

自分が加入している保険の内容を知らない人は意外に多いものです。

FPとしては以上のとおり、少ない負担で、なるべく大きいリスクをカバーできるようにすることをすすめますが、結局のところ、医療保険は気持ちの問題だと思います。

どっちつかずでいるのが最もよくないのです。

迷っている間に病気になってしまうパターンが、最も精神的ダメージが大きいといえます。

加入しないなら加入しないと割り切って、医療費分を貯蓄する。それができなければ後で困らないように加入しておく。

これが健康にまつわるお金の問題で後悔しないためのコツです。
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

畠中雅子(はたなか・まさこ)
ファイナンシャルプランナー(CFP)、FP技能士1級、マネーエッセイスト。新聞、雑誌、インターネットなどに多数の連載を持つほか、セミナー講師、講演、個人相談、金融機関へのアドバイザー業務、金融関連の調査業務、公的機関のアドバイザー業務なども行う大人気ファイナンシャルプランナー。 生活実感あふれるマネーアドバイスに定評がある。『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる!』など著書多数。

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