FXを始めたばかりの初心者だと、いきなり大きな金額の取引をするのはリスクが大きいもの。少額投資であれば用意する資金が少なくて済み、損失も少なく抑えられます。今回は少額投資ができるFX会社、具体的なメリットや注意点を分かりやすく解説します。少額投資からスタートして、FXの取引経験を積んでいきましょう。
FXの少額投資とは1万通貨未満の取引のこと
FXで取引する通貨は、1万通貨単位であることが一般的です。1ドル=100円と考えると、ドルの1万通貨の取引は、100万円以上の規模で行うことになります。
「まだFXに慣れていないし、そこまで大きな取引をするのは怖い」と感じる人も多いのではないでしょうか。そこでおすすめなのが、100通貨単位、1,000通貨単位などで行う少額投資です。1ドル=100円の場合、1,000通貨なら10万円、100通貨なら1万円と小規模での取引ができます。
ただし、1万通貨未満の取引はすべてのFX会社でできるわけではないので、口座開設をする前にチェックすることが必要です。
少額投資ができるおすすめのFX会社
少ない通貨単位で取引ができるFX会社のうち、おすすめできる会社を3社紹介します。
YJFX!
運営会社 | ワイジェイFX株式会社 |
通貨単位 | 1,000通貨(香港ドル以外) |
取引できる通貨ペアの種類 | 25種類 |
※公式サイトをもとに筆者作成(2020年7月時点)
Yahoo!JAPANで有名なヤフー株式会社のグループ企業です。香港ドルを除けば1,000通貨単位の取引ができます。
FXにはスプレッド(買値と売値の差額)が存在し、実質的な手数料となっていますが、YJFX!はスプレッドが狭いのもメリット。2020年7月時点で、米ドル/円は0.2銭、ユーロ/円は0.5銭となっています。
短期で売買を繰り返すトレードスタイルなら、スプレッドが狭いほど利益を出しやすいと言えます。
SBI FXトレード
運営会社 | SBI FXトレード株式会社 |
通貨単位 | 1通貨 |
取引できる通貨ペアの種類 | 34種類 |
※公式サイトをもとに筆者作成(2020年7月時点)
SBI FXトレードは、たった1通貨単位から取引ができるのが特徴で、証拠金も5円ほど用意すれば取引が可能です。これだけ少額で済むとなると、資金を用意できない人はまずいないでしょう。
選べる通貨ペアも34種類と多く、ブラジルレアルやノルウェークローネといった通貨も取引できます。
口座開設まで最短5分と、スピーディーに口座開設をしたい人にもおすすめ。マイナンバー通知書類と本人確認書類を用意しておきましょう。
外為どっとコム
運営会社 | 株式会社外為どっとコム |
通貨単位 | 1,000通貨 |
取引できる通貨ペアの種類 | 30種類 |
初心者でも取引しやすいFX会社として、外為どっとコムもおすすめです。「みんかぶFX」が実施した2019年のFX会社比較部門別ランキングにおいて、「人気部門」でトップになりました。
FX情報の提供に強みがあるのも、外為どっとコムの特徴。多彩なニュースのほか、FXを学べる「マネ育ch」というコンテンツもあります。
スプレッド縮小などお得なキャンペーンを実施することもあります。口座がまだない人も、口座を持っている人も定期的にチェックしてみましょう。
FXを少額投資でスタートするメリット5つ
少額でFXを始めることには、以下5つのメリットがあるため、初心者も安心して取引できます。
損失のリスクを軽減できる
少額投資であれば、1回1回のトレードの損失が少なくて済みます。資金に余裕を持ちながらトレードができるため、相場が予想と異なる動きをした際に、損をしたままポジションを解消する、いわゆる「損切り」をするリスクが少なくなるメリットがあります。
デモではないリアルトレードの経験を積める
FX会社ではデモトレードも用意しており、実際に入金しなくてもトレードを試すことができます。無料で利用できることから、利用する初心者も多いでしょう。
しかし、デモトレードには、リアルトレードと違って緊張感が生まれないという問題点があります。お金をかけていないことから、真剣に考えたり慎重になったりすることないので、有効なトレーニングになりにくいのです。
これに対して少額投資は自分でお金を出しているため、緊張感を持ってトレードをすることになります。規模は小さくても、リアルトレードの経験を積み重ねていけます。
レバレッジを利かせられる
レバレッジとは口座に入金した証拠金以上の規模で取引ができる、FX独自の仕組み。
例えば、1ドル=100円のとき、ドルを1万枚買いたいのなら、100万円の資金が必要です。これに対し、10倍のレバレッジを利用すると、資金は10万円で済みます。
自分の力が何倍にもなることから「てこの原理」と呼ばれることもあります。少額投資であればレバレッジをかけやすくなり、その分だけ利益も増やしやすいです。
ただし、レバレッジを大きくすれば、損失もその分大きくなる可能性があるので注意しましょう。
ある程度の利益も得られる
少額であってもリアルトレードをしている点に変わりはないので、一定の利益も得られます。レバレッジをうまく使えば、ある程度までは効率的に資金を増やすこともできるでしょう。
自分の資金を少しずつでも増やすことができれば、トレードをするモチベーションにつながります。単に頭の中だけでトレードをしたりデモトレードをしたりするより、FX取引を継続しやすいメリットがあります。
通貨の分散投資がしやすい
投資の格言に「卵は一つのカゴに盛るな」というものがあります。卵を全部1つのカゴに入れてしまうと、カゴが落ちたときに卵はすべて割れて大きな損失になってしまいます。
よって投資ではリスク分散が大切で、複数の銘柄や商品に分散して投資することが推奨されています。FXの少額投資であれば、複数の通貨に分散投資しやすいのもメリットです。
少額投資のFXでの注意点3つ
メリットの多い少額投資ですが、下記3つの点には注意が必要です。しっかり対策しておきましょう。
適当なトレードになりやすい
自分のお金をかけているとはいえ、あまりに少ない金額だと緊張感が生まれにくくなります。数十円や数百円では真剣に考えられず、適当な取引になってしまう人もいるでしょう。
経済的に困らない範囲で、「失いたくない」と思える金額を入金することがおすすめです。
短期での大きな利益は得にくい
1通貨で取引できるFX会社もありますが、資金を増やしていくのには限界があります。少額投資をいつまでも繰り返していると、短期で大きな利益を得るのは難しいでしょう。
画面操作に慣れ、自分なりの取引ルールもある程度構築できたら、トレードする金額を増やしていくのがおすすめです。
十分経験と知識を蓄えたうえで、最終的には1万通貨単位の取引ができることを目指しましょう。
強制ロスカットになりやすい
強制ロスカットとは、口座の金額が一定水準以下になると、保有しているポジションを強制的に決済する仕組みです。投資家の損失拡大を防ぐための仕組みであり、法律で義務付けられています。
証拠金が少額で、レバレッジを高くするほど、強制ロスカットにかかりやすくなるので注意しましょう。
FXの少額投資で利益を出すためのポイント
少額投資をもっと上手に実践するために、大切なポイントを解説します。
運用方法を決める
FXの資金の運用方法、トレードスタイルは、主に以下の4つです。
・スキャルピング(超短期)
- デイトレード(短期)
- スイングトレード(中期)
- ポジショントレード(長期)
スキャルピングは数十秒、数分でポジションを決済する超短期のトレード。1日で頻繁にトレードを重ねるやり方です。
デイトレードは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。1日以内に決済する短期トレードです。
スイングトレードは大きな動きを予測するスタイルで、数日・数週間といった単位での取引になることが一般的です。ポジショントレードは数ヵ月や1年といった長期での利益を狙う方法です。
自分の性格やライフスタイルに合う、やりやすいトレードスタイルを選びましょう。
自分なりに取引ルールを確立する
適当にトレードをするのではなく、取引ルールを構築していきましょう。何がどうなったら注文を入れて、どうなったらポジションを決済するのか、条件を決めることです。
取引ルールは個人によってさまざまで、初心者はブログやSNSなどで他のトレーダーのやり方を参考にするのもよいです。しかし、トレードで損失を出しても完全に自己責任なので、自分なりのルールを確立しましょう。
高すぎるレバレッジをかけない
前述したように、レバレッジを高くすると損失が大きくなり、強制ロスカットになりやすいです。最初のうちはレバレッジなしか、2倍~5倍程度にとどめておくのがよいでしょう。
分散投資をする
南アフリカランドやトルコリラといった新興国の通貨は、ポジションを保有する間収益として受け取ることができる「スワップポイント」が高い傾向です。スワップポイント目的で、中長期で通貨を保有するFXトレーダーもいます。
ただし、新興国通貨は、政治や社会情勢などが原因で価格が急落するリスクがあるため、注意が必要です。先進国の通貨でも、さまざまな要因で価格が変動することはあります。
1種類の通貨だけに投資するのではなく、上手に分散してリスクを低くしましょう。
初心者は少額投資で気軽にFXを始めてみよう!
FXの少額投資は、多額の資金が要らない、リスクを軽減できる、分散投資がしやすいといったメリットがあります。初心者はまず少額投資で経験を積み重ねて、将来的には1万通貨単位でのトレードができることを目指すとよいでしょう。
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