株式投資の話題の中で、「株主優待で外食に行った」「株主優待でギフト券をもらった」という話を見聞きしたことはありませんか。
株主優待とは、一体何なのでしょうか。この記事では、どのような人がもらえるのか、そして優待を意識した投資の始め方や女性に人気の優待銘柄まで解説します。
※本文中の株価はすべて2021年4月23日終値です。また例として挙げる株式の購入価格には証券会社へ支払う手数料は含まれていません。
株主優待って何?どんな人がもらえるの?
株主優待とは、企業が自社の株式に投資してくれた株主に対して年に1~2回程度、自社製品や割引券、ギフト券などをプレゼントするというものです。上場している多くの企業が実施しています。
海外では「プレゼントを贈るくらいなら配当金を増やせ」という株主要求が強い傾向にあるため、株主優待制度が発展しているのは日本くらいのようです。
なお「株」とは、企業が事業資金を調達する手段の一つです。株主になるということは、その企業に出資するオーナーになるということ。
株主になれば企業によっては配当や優待をもらえる権利を得られるのです。また株主は「株主総会」の参加権利やそこで議決権行使をすることもできます。持ち株数が多くなるほど議決権行使の意義も大きくなることも知っておきましょう。
株主投資に必要な金額とは?
ところで、株式投資にはどの程度のお金が必要かご存じですか?「少なくとも数十万円~数百万円ほどは必要なのでは?」と思っている人も多いかもしれません。ですが、10万円以下で購入できる上に株主優待がつく企業もたくさんあるのです。
たとえば、あの企業の場合
「ヤマダ電機」でおなじみのヤマダホールディングス(銘柄コード:9831)では、優待がもらえる1単元(100株)は約5万5,700円です。持ち株数に応じて異なりますが、例えば100株の場合、500円の優待割引券が3月末時点の保有で1枚、9月末時点での保有で2枚もらえます。
また「いきなり!ステーキ」などを経営するペッパーフードサービス(銘柄コード:3053)の株式優待では、100株保有でお食事券1,000円分が半期ごとに受け取ることが可能です。株価は278円のため、株主優待を受けるために必要な最低金額は278円×100株=約2万7,800円となります。
※記載されている株価は2021年4月23日終値時点のものです。
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女性におすすめの株主優待7選
株主優待の内容は、企業によってさまざまです。株主優待の中でも特に女性に人気のある企業を7つ紹介します。これから投資先を決める際の参考にしてみてくださいね。。 ※表中に記載されている株価はすべて2021年4月23日終値時点のものです。
アイ・ケイ・ケイ(銘柄コード:2198)
全国でゲストハウス型ウエディング施設やフレンチレストランを展開している企業です。株主優待では、お菓子の詰め合わせとレストラン優待券、どちらも受け取れるのが魅力でしょう。
優待内容 | ・100株以上1,000株未満: 特選お菓子1,500円相当・レストラン優待券3枚 ・1,000株以上5,000株未満: 特選お菓子3,000円相当・レストラン優待券3枚 ・5,000株以上 特選お菓子5,000円相当・レストラン優待券3枚 |
単元株数 | 100株 |
株価 | 684円 |
最低投資金額 | 6万8,400円 |
権利確定月 | 4月末日 |
テンポスホールディングス(銘柄コード:2751)
中古厨房機器の再生販売を行う企業です。株主優待のお食事券は全国の協力企業店舗で利用できるほか、グループ会社のあさくまファーム通販サイトでも利用可能です。
優待内容 | 100株以上:お食事券1,000円分×8枚 |
単元株数 | 100株 |
株価 | 2,295円 |
最低投資金額 | 約22万9,500円 |
権利確定月 | 4月末日 |
ハニーズホールディングス(銘柄コード:2792)
女性用衣料品や服飾雑貨を販売する「ハニーズ」をグループに持つ企業です。株主優待券は、全国のハニーズホールディングスの店舗で利用可能です。
優待内容 | ・100株以上300株未満:優待券 3,000円分(500円分×6枚) ・300株以上500株未満:優待券5,000円分 (500円分×10枚) ・500株以上1,000株未満:優待券7,000円分 (500円分×14枚) ・1,000株以上:優待券1万円分 (500円×20枚) |
単元株数 | 100株 |
株価 | 1,040円 |
最低投資金額 | 約10万400円 |
権利確定月 | 5月末日 |
JT(銘柄コード:2914)
たばこ事業が中心ですが医薬品開発や加工食品事業も手掛けています。株主優待を受けるためには、100株以上を1年以上継続保有することが条件です。
優待内容 | ・100株以上200株未満: 2,500円相当のグループ会社商品 ・200株以上1,000株未満: 4,500円相当のグループ会社商品 ・1,000株以上2,000株未満: 7,000円相当のグループ会社商品 ・2,000株以上: 1万3,500円相当のグループ会社商品 ※優待の対象となるのは株を1年以上保有した株主 |
単元株数 | 100株 |
株価 | 2,077.5円 |
最低投資金額 | 約20万770円 |
権利確定月 | 12月末日 |
ヤーマン(銘柄コード:6630)
家庭用美容機器の研究開発や販売、化粧品の輸入販売などを行う企業です。株主優待割引券は、ヤーマンオンラインストアで利用できます。優待内容は、株式の保有期間によっても異なるため要チェックです。
優待内容 | 株主優待割引券を進呈 ・100株以上500株未満 1年未満:5,000円分 1年以上:7,000円分 2年以上:1万円分 5年以上:1万3,000円分 ・500株以上 1年未満:1万4,000円分 1年以上:1万7,000円分 2年以上:2万円分 5年以上:2万3,000円分 |
単元株数 | 100株 |
株価 | 1,556円 |
最低投資金額 | 約15万5,600円 |
権利確定月 | 4月末日 |
イオンモール(銘柄コード:8905)
全国でショッピングモールを展開する企業です。株主優待は、3つのコースの中から一つ選択できます。1,000株以上の株主であれば長期保有株主向けの優待がある点にも注目です。
優待内容 | ・100~499株 3,000円分のイオンギフトカード 3,000円相当のカタログギフト 3,000円のカーボンオフセットサービスの購入 ・500~999株 5,000円分のイオンギフトカード 5,000円相当のカタログギフト 5,000円のカーボンオフセットサービスの購入 ・1,000株以上 1万円分のイオンギフトカード 1万円相当のカタログギフト 1万円のカーボンオフセットサービスの購入 ※いずれの株数も3つのコースの中から一つ選択 |
長期保有株主向け優待 ※継続保有期間3年以上 |
・1,000~1,999株:2,000円分のイオンギフトカード ・2,000~2,999株:4,000円分のイオンギフトカード ・3,000~4,999株:6,000円分のイオンギフトカード ・5,000株以上:1万円分のイオンギフトカード |
単元株数 | 100株 |
株価 | 1,689円 |
最低投資金額 | 約16万8,900円 |
権利確定月 | 2月末日 |
ブックオフグループホールディングス(銘柄コード:9278)
中古本販売の「ブックオフ」をグループに持つ企業です。中古本以外にも中古アパレル・雑貨等の販売も行っています。株主優待では、お買物券を受け取れますのでよく利用する人におすすめです。
優待内容 | ・100株以上200株未満 保有期間3年未満:お買物券2,000円分 保有期間3年以上:お買物券2,500円分 ・200株以上500株未満 保有期間3年未満:お買物券3,000円分 保有期間3年以上:お買物券4,000円分 ・500株以上 保有期間3年未満:お買物券5,000円分 保有期間3年以上:お買物券7,500円分 |
単元株数 | 100株 |
株価 | 966円 |
最低投資金額 | 約9万6,600円 |
権利確定月 | 5月末日 |
株式投資するために知っておきたいこと
株式優待を受けるためには、制度を設けている企業へ株式投資することが必要です。これから株式投資を始めるのであれば、必ず知っておきたいことをご紹介します。
1.株の売買手数料は証券会社ごとに違う
株式は証券会社を介して売買注文を出しますが、売買が成立した場合、証券会社へ売買委託手数料を支払わなければいけません。手数料は、証券会社ごとに設定されているため、同じ株式を同じ株数売買したとしても注文を出した証券会社によって手数料の金額が違ってきます。
一般的には、以下の図のような傾向にあるため、証券口座を開設する際はよく確認して自分に合う方を選ぶようにしましょう。
証券会社の種類 | 手数料の金額の傾向 | サービスなど |
---|---|---|
ネット証券会社 | 低い | 売買サポートや対面・電話での情報提供などの サービスは特にないことが多い ※ホームページでの情報提供はあり |
店舗型証券会社 | 高い | 売買サポートや情報提供などの サービスが手厚い |
2.売却益の税金を非課税にできる「NISA」
一般口座や特定口座で株を売って売却益が出た場合や配当金を得た場合、通常は約20%の税金がかかります。しかし「NISA口座」で購入した株式や投資信託などの売却益や配当金に税金はかかりません。
NISA口座は、1人1口座に限られており非課税投資枠にも上限がありますので覚えておきましょう。証券会社で開設手続きを行う必要があります。
利用できる人 | 日本に住む20歳以上の人 |
---|---|
口座開設数 | 1人1口座 |
非課税投資枠 | 新規投資額:毎年120万円まで |
非課税期間 | 最長5年間(現行NISAは2023年まで。 2023年中に購入した金融商品は2027年までは非課税) |
非課税対象 | 株式や投資信託などで得た売却益、配当金、分配金 |
株主優待の注意点をチェックしよう
株主優待目的で株を購入する場合、以下の3つの注意点があります。こちらも投資を始める前に確認しておきましょう。
1.すべての上場企業が株主優待を行っているわけではない
株主優待は、義務ではないためすべての上場企業が実施しているわけではありません。もし株主優待目的で投資をする場合は、優待の有無をチェックしてから投資を始めるようにしましょう。
株主優待の有無は、「会社四季報」「Yahoo!ファイナンス」などの株式情報サイト、証券会社および各企業の公式ホームページからも確認できます。
株主優待を実施している企業であっても「株主優待を受けるための最低持ち株数が決められている」など文字列各企業によって条件が異なる点は注意が必要です。
例えば、女性用インナーなどの販売を行っている「シャルレ」(銘柄コード:9885)の株価は、368円(2021年4月23日終値)です。100株から購入できるため、投資に必要な最低金額は3万6,800円となっています。
しかし、シャルレの株主優待は500株以上保有する株主が対象です。そのため株主優待を受けたいのであれば最低でも500株保有、つまり368円×500株=18万4,000円が必要になります。
このようにすべての株主優待実施企業が1単元(100株)保有で株主優待が受けられるわけではないことを覚えておきましょう。また、優待クロス対策として、半年以上や1年以上保有している人のみが優待の対象という企業も増加傾向にあります。
2.株主優待を受けるための購入タイミングがある
株主優待は、株主であれば誰もが受けられるわけではありません。株主優待を実施している企業の「権利確定日」時点で株主名簿に記載されている必要があります。株主名簿に記載されるためには、権利確定日を含んで2営業日前までに該当株式を購入しないといけません。
この権利確定日の2営業日前は「権利付最終売買日」と呼ばれています。権利付最終売買日近くになると株主優待目当ての人たちが株を購入するため、株価は上昇することが多い傾向です。
なるべく安く株を購入したい場合は、権利付最終売買日の翌営業日となる「権利落ち日」以降の購入を検討しましょう。一例として3月31日(木)が権利確定日の場合の権利付最終売買日、権利落ち日を以下の図で説明します。
3月29日(火) | 権利付最終売買日 |
3月30日(水) | 権利落ち日 |
3月31日(木) | 権利確定日 |
一般的に本決算や中間決算日が権利確定日です。決算日は、会社四季報、企業の公式ホームページなどで知ることができます。
3.株主優待はずっと続くとは限らない
株主優待は、企業から株主へのプレゼントです。企業の内部留保や収益状況に余裕がないと実施できません。そのため「業績が下降した」「経営方針が変わった」などの理由で株主優待が廃止、もしくは内容変更される可能性もあります。
まずは身近な企業を探してみよう!
日常生活で活用できる優待品がもらえるなら、株式投資もグンと楽しくなるのではないでしょうか。これから投資を考えている場合は、自分がよく利用する身近な企業の株から探してみることをおすすめします。いろいろな株式銘柄を少しずつ持って楽しむのもいいですね。
優待目的で買った株でも株価が上がることもあります。その場合は、売却して利益を得るのもいいでしょう。もちろん逆に下がってしまう可能性もあるので、投資先を決めるときは今までの業績や業績予想などの企業情報の確認も怠らないようにしてください。
実際に株式投資を始めてみる
ご紹介したように、株主優待には大きな魅力があります。株主優待を得るためには、まず証券会社で口座を開設することが必要です。口座開設した後は、株主優待を実施している企業を選んで株式投資を検討してみましょう。
ぜひこの記事を参考に株式投資を始めてみてはいかがでしょうか。以下でおすすめの証券会社を紹介しています。口座開設時の参考にしてみてくださいね。
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